藤村幸司
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舞台は楽し〜シレンとラギ
2012-05-15 Tue 20:37
シレンとラギ
いろいろ忙しくて、ずいぶんブログを放置していました。久々の更新は、やはりお芝居の話しです。劇団☆新感線・いのうえ歌舞伎の最新作『シレンとラギ』を観てきました。古田新太さん粟根まことさん橋本じゅんさん高田聖子さんといったおなじみの新感線メンバーに加え、主役には新感線初参加の藤原竜也さんと新感線19年ぶりという永作博美さん。さらに高橋克実さん北村有起哉さん三宅弘城さんといった芸達者な顔ぶれが揃った舞台です。

南北ふたつの王朝が敵対する時代。毒使いの暗殺者シレン(永作さん)と、シレンにほのかな恋心を抱く若武者ラギ(藤原さん)を軸に物語は進みます。ふたりは渦巻く陰謀と因果に振り回され、これに個性的な脇役陣がからんでくると、アクションあり、笑いあり、ドロドロあり、新感線には珍しくラブストーリーもありと、まぁハラハラ、ドキドキの連続。次から次へと“どんでん返し”が繰り返され、いったい次にどうなっていくのか、予断ができない展開に、どっぷり芝居の世界に引きずり込まれました。

強烈な個性を持った役者さんの中でも、今回は高橋克実さんの存在感にノックアウトされました。やさしいお父さん、人望ある熱血先生的なイメージがありましたが、この舞台で見せる高橋さんの“すご味”が半端ではありません。悪と無垢を演じ分けるのですが、今でも夢に出てきそうな迫力でした。高橋さんを見に行くだけでも十分価値があります。

とは言いつつ、主役の永作さんがかっこいい。体が小さく華奢な印象ですが、その分、女性の強さと健気さを感じさせます。藤原さんはやはり舞台の上が一番輝く役者さんです。若々しくて、正義感が強くて、ちょっとアマちゃんなところもあるラギが、ストーリーが進むにつれて壮絶な運命に葛藤します。そのあたりの表現は見事としか言いようがありません。劇団ナイロン100℃の三宅弘城さんや北村有起哉さんも持ち味たっぷりですし、新感線のメンバーもいつものように、大いに盛り上げてくれます。セットはシンプルだけど美しく、自在に変化し、これに照明が効果的に演出されている点も見逃せません。

ところでラギは19歳の設定。まったく違和感ない少年のような藤原さんですが、いったいおいくつになったのかと検索してみたら、なんと!!きょうが30歳の誕生日でした。そういえば5年前のきょう、このブログ「舞台は楽し〜役者・藤原竜也」のタイトルで藤原さんの印象を書いていましたが、読み直しても全く印象は変わっていません。それであって役者としての成長を続ける藤原さんは、やはり“芝居の神の子”でした。

ちなみに、終演後、楽屋裏を訪ねることができました。ちょうど、シャワーを浴びて、髪の毛をタオルでゴシゴシしながら出てきた藤原さん。3時間余りの舞台を、昼夜2本こなしたばかりとは思えないほどの、そのキラキラ感と言ったら・・・。素のままでも、十分19歳で通用するさわやかさでした。意外にもご本人は「殺陣には苦労している」とおっしゃっていましたがが、客席から見る藤原さんの殺陣の姿も美しくかったです。大阪公演がきのうで終わり、次は5月24日〜7月2日、東京・青山劇場です。これから観劇する皆さん、期待していいですよ。

 
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舞台は楽し〜Endless SHOCK
2012-03-31 Sat 10:10
ニューヨークやラスベガスでショーを観るたびに、「アメリカ人って、人を喜ばせるためなら、ここまでやるか」と圧倒されます。本場はスケールが桁違い。お金も、人も、労力も、情熱も、エンターテインメントのためなら、まったく惜しむことをしません。でも、そんな「ここまでやるか」を先日、日本の舞台で初めて感じたのです。

現在、東京・帝国劇場で上演中の『Endless SHOCK』堂本光一さんが座長を務め、2000年の初演から数えて12年目を迎える舞台です。きのうで記念すべき通算900回公演を達成しました。これは故・森繁久彌さんが『屋根の上のヴァイオリン弾き』で成し遂げた主演回数に並ぶ偉業です。こんなに長年支持されている舞台なのに、私は今回がSHOCK初体験。2007年10月25日のブログでSHOCKについて「過去のリハーサル映像や公演DVDを見てみても、舞台として完成度の高さが分かります。舞台好きの私としては、一度は“生”で見てみたいと、常々思っているのですが、チケット争奪は超激戦のうえに、熱狂的なファンで埋め尽くされた客席を想像すると、足を踏み入れる勇気がなく、未見のままなのです。」と書いていましたが、このたびようやく念願かないました。
ショックロゴ

観終わった今「なぜもっと早くから観ておかなかったんだろう」と後悔しています。歌にダンスに、タップにレビュー。フライングがあればイリュージョンもあり、本格的な和太鼓や殺陣、階段落ちなどなど・・・。しっかりしたお芝居の中に、ありとあらゆるエンターテインメントの要素が詰め込まれ、これでもかと言わんばかりに次から次へと展開します。息つく暇もないとはこのこと。「5分に1回は観客を驚かせる」という触れ込みも大げさではありません。出演者の才能が輝きカンパニーの一体感もあって、こんなに完成度の高い作品だったということにも正直“SHOCK”を受けました。

そして舞台から伝わる光一クンの座長としての気合の程が半端ではありません。あの広い帝劇が狭く感じるくらい動き回り、踊り、宙を舞います。あれだけハードな舞台を今回は2月の博多座と合わせ4月30日まで連続4か月もやるというのですから、尋常ではありません。去年3月11日昼公演の幕間に東日本大震災が発生し、その後、2か月公演の半分が中止となった『Endless SHOCK』。それだけに今回は被災地へのメッセージも込められているように聞きました。

光一クンのライバル役として登場するのが内博貴さん。いや、驚きました。関ジャニやNEWS時代の内クンのイメージしかなかったせいもあるでしょうが、舞台役者として実に魅力的に成長されました。2年前シアター・クリエでミュージカル『ガイズ&ドールズ』の主役をされているのは知っていましたが、声もよく通るし、演技もしっかりしているし、ルックスも、パフォーマンスもかっこいい、ステージ映えするまさに舞台向き。苦労した期間に、どれほどのレッスンを積んできたのか、想像できます。今後、もっと様々な舞台で観てみたい役者さんが増えました。『レ・ミゼラブル』のアンジョルラスなんて、内クンにぴったりじゃないでしょうか。

『Endless SHOCK』は、驚きはもちろん、笑い、泣き、感動の連続です。伊達に900回も続いているわけがありません。「たかがアイドルのショー」だなんて思っている人、人生を損していますよ。



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舞台は楽し〜ミュージカル・ジキル&ハイド
2012-03-29 Thu 14:16
きのう3週間の東京公演が千秋楽。いよいよ大阪と名古屋に新しくなった『ミュージカル・ジキル&ハイド』がやってきます。人体実験の末、善と悪、二つの人格に振り回される博士の物語。有名な小説『ジキル博士とハイド氏』が原作です。これまで日本で『ジキハイ』と言えば、鹿賀丈史さんでした。2001年から2007年まで再演を重ねていて、私も、東京・日生劇場の初演からたびたび観劇していています。とにかく鹿賀さんが発するクラクラするほどの“狂気”が印象的な舞台でした。
ジキハイ
その『ジキハイ』が日本5演目にして、キャストを一新、演出や装置が変更され、新しい曲も加えられ生まれ変わったのです。というわけで先日、早速、東京公演に行ってきました。注目の二重人格者ジキルとハイドを演じるのが石丸幹二さん。劇団四季の看板役者として活躍し、退団後も様々な作品に出演されている日本を代表するミュージカル☆スターです。イケメンで紳士、まじめ、堅物の役どころの多い石丸さんですから、研究に打ち込むジキルはイメージ通り。一方、荒々しく、恐ろしく、不気味さが前面に出るハイドが、どうなるのか・・・見どころでした。

舞台にはこれまでとは違った、石丸ハイドがいました。鹿賀ハイドは、その圧倒的な存在感でグイグイ観客を引き込んでいったのですが、石丸ハイドは、心の内面を繊細に表現しながらじわじわ怖く、そして最後に爆発する感じ。ほんとうに、どんどん気味悪くなってくるのです。普段まじめでスマートなイメージの石丸さんが豹変するからこそ怖いんだということに気づきます。作品として、より練り上げられた印象です。

最初から最後まで、石丸さんはほぼ出ずっぱり。歌い上げる曲が多く、相当負担は大きいと思いますが、それだけに観客は見ごたえ十分な作品となっています。ジキルの婚約者・エマを演じる笹本玲奈さんは、かわいさと強さを感じさせ、ラストは泣かせます。正直、鹿賀ジキルのときはエマの役者さんとの年齢差がありすぎて、恋人に見えなかったのですが、この二人ならお似合いのカップル。娼婦・ルーシーの濱田めぐみさんも、アイーダやエルファバ(ウィキッド)とは全く違う妖艶な役どころで、歌のうまさでピュアな内面を表現ししています。。吉野圭吾さんは、優しい声、長身のスタイルが、ジキルを守ろうとする友人・アターソンそのもの。セリフの行間に吉野さんらしさもたっぷり出ていて、ダンスはなくても脇でいい仕事してます(笑)。

役者がいいし、音楽もいい。今回は効果的な照明の美しさにも感心しました。今後、このカンパニーでロングランすれば、さらに洗練されていく予感がします。ちなみに、終演後、楽屋でお会いした石丸さんは、ジキルの堅物でも、ハイドの狂気でもなく、少女マンガに出てきそうな目がキラキラしたさわやかなイケメン。やはりスター☆でした。

大阪公演は2012年4月6日〜4月8日 梅田芸術劇場、愛知公演は4月14日、4月15日 愛知県芸術劇場で行われます。

演出:山田和也 上演台本・詞:高平哲郎 原作:R・L・スティーブンソン 音楽:フランク・ワイルドホーン 脚本・作詞:レスリー・ブリカッス
出演:石丸幹二/濱田めぐみ/笹本玲奈/吉野圭吾/畠中洋/花王おさむ/中嶋しゅう/若泉亮/石山毅/石飛幸治

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