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藤村幸司
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お前は何様だ!
2007-03-26 Mon 06:48
「これ、どう思う?」と、友人から見せられた新聞記事。

一読して、その内容はあきれるほどばかばかしく、同じマスコミという現場に身を置いた一人として、怒りと、情けなさが襲ってきました。

それは「京都に赴任して丸2年。警察担当もしんどかったが、一見華やかに見える宗教・文化担当もけっこうツライ。」で始まる、産経新聞の京都総局記者が書いたコラム記事『アマチュアカメラマンに物申す』でした。

新聞記者やカメラマンは、取材現場では他社との競争もあって、大変なんだ・・・というようなことを書いた後、こう続けています。

「取材で、小競り合いはつきもの。互いに仕事なのは分かっているから、大抵は『仕方ない』で済ませることができる。ところが、京都ではそれでは割り切れない“商売敵”が現れた。アマチュアカメラマンである。」

「彼らは少しでも良い場所から撮ろうと、朝早くから場所取りをする。ベストアングルに設けられる報道陣用スペースで立っていると、必ず文句が飛んでくる。こちらもベストアングルを占めている手前、「すいません」の一言があれば腰をかがめるが、腕章の社名を見て「産経、邪魔だ!どけ!」と頭ごなしに言われると、腹も立つ。」

「文句にたまりかねた某社カメラマンが、『こっちはこれでメシ食ってんだ』と言い返すのを見たことがあるが、まさしく同感。アマチュアカメラマンに尋ねたい。その写真、どうしても撮らないといけない理由があるのかと。」

なんというバカさ加減。現場で、いち記者がどう思ったかというのは、勝手だけれど、これをデスク(責任者)が了承し、堂々と活字にして売ってしまう感覚。いったい、どうなってしまったんでしょうか?

私は後輩の記者やアナウンサー、カメラマンに口を酸っぱくして言っていた事がありました。

「相手が誰であれ、我々は取材させてもらっているんだ」と。

時にその感覚を忘れ、マスコミが権力を振りかざすおぞましい場面に何度も遭遇したことがあったからです。

今から17年前のこと、あるイベント会場に取材に行きました。特設ステージでは、長崎県内各地の郷土芸能が日替わりで披露されていました。その日は離島からやってきた太鼓の演奏。観客席に並んだパイプ椅子は3分の1が埋まった程度でした。

そこに、某放送局のカメラクルーも取材に来ました。三脚を構え、ファインダーをのぞいたベテランカメラマンが、アシスタントの若い青年にこんな指示を出したのです。

「おい、あそこの3人組みを右側に5席分、ずれさせろ!」

聞いた私は、あ然としたのを覚えています。「ずれさせろ」の対象は、島から来た応援団風のご婦人たち。おそらく、早く会場に来てベストポジションの席に陣取ったのだと思います。命令されたアシスタントは、そのご婦人のところに行って、大きくジェスチャーをしながら、席を移動するように指示しました。

ご婦人たちも、驚いたようすで、しぶしぶ席を移動。その辺りはガラガラでしたし、5席分ずれても、見え方にそう違いはなかったかもしれません。でも、それは全て舞台で演奏中に行われているのです。遠くから見に来たのに、集中できなかったことはまちがいありません。

カメラマンの意図は、おそらく「自分が撮影するのに邪魔だった」のか、「観客が少なく寂しく見えるので、多く見えるように撮りたかった」かの、どちらかだと推察できます。プロのカメラマンなら、それくらいは考えるのは当たり前と思う同業者もいるはずです。しかし、何の関係もない観客までも巻き込む権利はどこにもないはずです。当時、NIBは開局前でしたが、その光景を見て、我々はこんな傲慢な取材はするまいと、肝に銘じました。

でも、マスコミは勘違いします。不正が発覚した企業や政治家に対しては、「自分たちこそ正義」とばかり、『真実の追求』を名目に、無礼極まりない取材をしています。若い記者が自分の父親よりも年上であろう人に向かって、偉そうなものの言い方を平気でします。私は、そんな人間が、一番マスコミにとって必要のない人材だと思います。相手を思いやることができない人物が書く記事を信用できますか?でも、現実は、その逆になっているのかもしれません。悲しいことです。少なくとも、この業界の友人たち、後輩たちだけには、そうなって欲しくはありません。
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