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藤村幸司
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痛みを伴った謝罪だからこそ
2007-06-13 Wed 00:00
きのう、弁護士の高井伸夫さんのことばを借りて、謝り方で最も優れているのは「謝ることを通じて、相手から従来以上の新たな信頼を獲得する謝罪」だと書きました。きょうはまさに、そのお手本のような人物についてです。

その人とは今や、日本中の誰もが知っているジャパネットたかたの高田明社長です。

2004年、ジャパネットの顧客情報が盗まれ、流出する事件がありました。まさに経営の根幹を揺るがす出来事でしたが、今になってみれば、あの時の迅速な謝罪と対処が、会社を守ったことは間違いありません。

事件発覚後、高田社長はすぐに謝罪会見を開きました。この対応が、見事なまでに早かった。そこでは、事実関係を明らかにし、言い訳じみた表現もなければ、責任転嫁のことばもありませんでした。管理が甘かったことを率直に認め、あれだけ毎日のように放送していたテレビショッピング、ラジオショッピングをはじめ、すべての媒体で活動を自粛することも発表しました。

去年、高田社長にお会いした時に、当時のことをうかがったのですが、営業自粛の決定を含め、記者会見での対応を考える時間は、わずか2時間ほどだったそうです。社内では、さまざまな議論もあったようですが、社長の決断のもと、あの潔い会見が開かれたのです。「ラジオやテレビで私が紹介した商品を買っていただいてるのは、お客様に信頼していただけたから。その信頼を裏切るような事態を招いてしまったのに、また私が出て商売できるわけがない。まずは、お詫びすることが先だ」と。

会見で流出数は最大で66万人分と発表されました。のちに51万人だったことが分かったのですが、最悪の数字を発表することには、かなりの勇気が必要だったはずです。数字ばかりが先行する報道が目に見えるからです。これについても高田社長は「分かることのすべてを隠さずにお伝えすることが、今、ジャパネットの顧客に対してできること。隠すとか、少なく発表するとかは、思いもしなかった」と、振り返ります。これも顧客に対する真摯な姿勢として伝わったのでした。

当時、ジャパネットはテレビショッピング10周年キャンペーンの準備を進めていた最中。タレントを呼んで収録していたスペシャル番組などもすべてお蔵入りとなりました。結局、営業自粛は50日間にわたり、150億円の損失となったそうです。

しかし、こんな痛みを伴った謝罪があったからこそ、ジャパネットは再浮上できました。。再開後は毎年、売り上げ記録を更新し、ついに1000億も突破しています。高田社長は事件を振り返り、「ジャパネットが続く限り、この事件は背負っていかねばならない」と言います。この一連の高田社長の対応を見ていて感じたのは、何か事が起きたときの対処法は、謝罪のテクニックやマニュアルどうこうではないということ。単純に、誠心誠意の謝罪する、反省することが、結果的には最善策なのだということです。毎日のように流れる、トップが頭を下げるニュースと比較しながら、つくづくそう感じます。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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