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藤村幸司
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TVと選挙
2007-07-16 Mon 01:04
参院選がスタートし、街は拡声器の音で騒がしくなってきました。スポーツ新聞各紙の記事によると、元テレビ朝日アナウンサーの丸川珠代さん(36)=自民、東京選挙区=が、かつてのライバル局であるフジテレビの前で演説を行ったそうです。ちょうどフジテレビは、夏の名物イベント『ザ・冒険王』の初日ですから、丸川陣営は、その来場客を狙ったようです。ただ、その時フジテレビは、会場で番組収録を行っていたため、撮影スタッフが「聞いてない」と激怒し、陣営に詰め寄ったというのです。結局、収録を10分間、中断することになったのだとか。

この記事に、みなさんはどう感じますか?「正当な選挙運動をしているだけなのに、TV局は特別なのか」ですか。あるいは「言うとおり選挙演説はうるさい。場所を考えろ」でしょうか。私は「どっちもどっち」ですが、TV出身者なら、少しは配慮があってもいいのではないかと思うのです。けっして、TV局がえらそうにしていいということではありませんが。

私のいた地方局でも、選挙が始まると番組制作については、より細心の注意が必要でした。公示日前でも、公平、平等には気を使いますが、公示後は、これが、かなりシビアになります。テレビのニュースをご覧になれば気づきますが、どの候補者の名前も顔も、また第一声のコメントも、ほぼ同じ秒数になっているはずです。とにかく、差をつけてはいけないのです。

だから、アナウンサーも、原稿を読む声の調子やスピードを変えてはいけません。ある候補者の名前をゆっくり、ある候補者は早口で・・・なんてことはありえません。もちろん、特定の候補者の名前をとちったりすると大変なこと。そのため、生で伝える選挙のニュースは緊張したものです。『選挙ニュースのナレーションは、事前に録音したものしか流さない』と決めている放送局もあるほどです。

それだけならいいのですが、困るのが今回のような場合です。外での生中継で、万が一にも、近くを選挙カーが通って、候補者の名前を連呼する声が放送に乗ってしまったら、公平でなくなります。リポーターの後ろを、候補者名を書いた選挙カーが映りこんでもだめです。(フジテレビは生放送ではなく収録だったようで、10分くらい待ってもいいじゃないか!と思いますけど)

私がいた局のロビーには、ガラス越しに外の景色が見えるオープンスタジオがあって、毎週生放送をしていますが、選挙期間中は、わざわざセットを別のスタジオに組み直していました。また中継する場合でも、「そこは当日、どこかの陣営の遊説場所になっていないか」、「その時間、選挙カーのルートではないか」なども、事前にチェックしておかねばなりませんでした。私なんか正直「たまたま映ったら、しょうがないだろ」なんて思っていましたが、放送法を守るためには、そこまでしなければならないのだと聞かされたものです。

だから、選挙の遊説に対して「収録に邪魔だ」と文句を言うこともおかしいし、一方で、テレビを分かっている人なんだから、事前に告知しておいてもよかったのにとも思うのです。よって「どっちもどっち」です。テレビマンも、政治家も、「自分は特別」と思ったら、それで終わりです。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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