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藤村幸司
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日本語は、まことに美しい
2007-09-19 Wed 13:18
以前、このブログ『肌寒い』は「はださむい」と濁らず読んで、本来は夏が終わって秋が来たころに使うのが正しいと書きました。まさに、ここ数日、朝晩は、めっきり『肌寒く』なってきましたね。

この時期の寒さの表現を調べてみると、その表現の豊かさに驚かされます。例えば、秋になって、何となく寒い、少し寒く感じられるようになってきたのを『薄寒(うすさむ)い』とか『うそ寒い』『うすら寒い』と言います。秋も半ばを過ぎ、特に朝夕に感じる冷え込みは『秋寒(あきさむ)』『秋冷(しゅうれい)』。晩秋の朝方の寒さは『朝寒(あささむ)』、夜なら『夜寒(よさむ)』となります。病に伏した松尾芭蕉が、近江堅田(今の滋賀県)で詠んだ句が「病雁の 夜寒に落ちて 旅寝哉」。夜空を群れとなって渡る雁の列から、一羽だけが急に落ちてしまった。あの雁は、夜寒にたえきれなかった病気の雁なのかもしれない。芭蕉は雁と自分を重ね合わせたんでしょう。心の寒さとも感じさせる『夜寒』ということばが効いています。

秋には『露寒(つゆさむ)』という表現もあります。これは露のびっしりおりた夜の寒さを表しています。『そぞろ寒』は、秋が深まって、それとなく感じるほどの寒さ、『身にしみる』も、秋の冷気や物悲しさを言ったことばだそうです。どれも、日本らしい風情を感じます。涼しさから寒さへ移る、この微妙な気温の変化をとらえ、昔の人は、こうやって美しい響きのことばにして残したんですね。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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