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藤村幸司
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ラッキーバンクにチャリン!
2007-12-14 Fri 15:18
『電車にて(2)』のつづきです。私が電車で席を譲るのは、偽善でもなければ、高尚な理由があるわけでもありません。単に『自分のため』です。なぜ自分のためなのかを紹介します。

実は、こう考えるようになったのは、ある人のことばがきっかけです。その人とは今、舞台『座頭市』(演出・三池崇史)で、初舞台にして初座長を務めている俳優の哀川翔さん。彼が、その舞台のPRのために出演していた番組で言っていた話です。

哀川さんを慕って集まってくる仲間たちの間には“ルール”があるのだそうです。そのひとつが「ゴミをまたぐな」。つまり、ゴミに気づいているのに、そのまま見過ごすのは許さない。「またぐなら、拾え」ということです。さらに「トイレットペーパーが無くなっているのに、そのままにしていたらボコボコにする」なんていうのも。つまり「自分だけが良ければ、それでいい」というのを戒めているわけです。その理由として、哀川さんは、こんな説明をされました。

ラッキーバンク(直訳すると幸運銀行かな)っていうものがあって、人は、ひとついいことをすると、1個のラッキーコインが、チャリン!と貯金されていて、逆に、何か幸せなことが起きたときには、そのコインを使っている。だから、ラッキーなことを起こすためには、いいことをしてラッキーコインを貯めておかなければいけない」

日本のことわざで言えば、情けをかければ回り回って自分に返ってくる「情けは人のためならず」ということでしょうが、哀川さんの言う、この『ラッキーバンク』という考え方が、分かりやすくて、ストレートに伝わってきました。その話を聞いてから、行きの電車で席を譲ったら、その日、帰りの電車に乗り遅れたのですが、事故があったとかでダイヤが乱れていて、まったく待つことなく乗れた上に、いつもより早く着いてしましました。また、おばあちゃんの荷物を網棚に上げてあげて、自分の荷物を下ろした瞬間に、無くしたと思っていたアクセサリーがサイドポケットからポロッと出てきたりもしました。

単純な私は、これは「ラッキーバンクだ」と信じました。そして、何か「ついてるな」ということが起きたら、コインを使ってしまったので、また貯めねばと思うのです。だから席を譲るのも、「本当に疲れているときには座れますように」という下心がある貯金、『自分のため』なのです。

大したことでなくてもいいのです。下心を持っていてもいいのです。ちょっとだけいいことをしてみてください。その瞬間に、チャリン!と音が聞こえるはずです。


『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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