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藤村幸司
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スタジオ初体験のころ
2007-12-19 Wed 23:59
私が講師をしているアナウンススクールのきょうの授業は『スタジオ実習』。ここには、本格的な録音スタジオ(アナウンスブース)が併設されているのです。実習ではアナウンスのチェックはもちろん、今のうちにプロと同じ環境に慣れてもらおうという狙いもあります。

普段の教室では、のびのびとしゃべったり、読んだりできる生徒たちでも、いざスタジオに入って、マイクを目の前にすると、ある人は、声がひっくりかえり、ある人は、体をガタガタ震わせ、またある人は、頭が真っ白になって、あげくの果てに声が出なくなる始末。誰もが別人のようになってしまいます。

金魚鉢実はこれらは、慣れないスタジオの仕業です。アナウンサーがナレーションを録音するスタジオは、遮音や吸音を計算した、ぶ厚い壁に囲まれた小部屋。重たいドアを閉めると、そこはたったひとり、孤独な世界になります。外の音は全く聞こえず、自分の声すら壁に吸い込まれ、反響や残響がないので、慣れないうちは、その独特の空気に押しつぶされそうになるものです。

コントロールルームとスタジオが、防音ガラスで仕切られているので、こんなスタジオを『金魚鉢』と呼ぶのですが、その心細そうな金魚たちをガラス越しに見つめながら、私はぼんやりと、自分自身の20数年前を思い出していました。

今の生徒たちは、こんな実習ができますが、私のスタジオ初体験は、テレビCMのナレーション録り。はじめて入ったスタジオで、いきなりの本番でした。まだ大学生だった私は、独特の空気に圧倒されてガチガチになっていたのを、今でもしっかり覚えています。

でも、あの最初の緊張があったからこそ、そのあと何百回、何千回とスタジオに入っていますが、あれほどのガチガチがないのだと思っています。「千里の道も一歩から」、緊張に押しつぶされそうになっている生徒たちに、心の中で、そんなエールを送っていました。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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