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藤村幸司
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本能の笑顔
2008-01-28 Mon 09:20
きのうの大阪国際女子マラソン。30キロ過ぎまでは、文字通りの独走で、涼しい顔をして快走する福士加代子選手を、テレビ観戦の私も落ち着いて見ていました。「さすが福士、やっぱり、この人すごいよ」とつぶやきながら。ところが、その後、突然、表情が曇りはじめ失速、結果はご存知の通り、無念のものでした。ゴール前には4度も転びました。足が上がらず、まっすぐな地面にすら、けつまずいているように見えました。立ち上がるようすは、まるで生まれたての子馬のよう。震える足を必死に踏ん張って起き上がると、何度も何度も、ゴールを目指しました。

私を含め、日本中の人がこの光景に涙したことでしょう。スタンドからは悲鳴にも近い声援が飛びました。マラソン競技の厳しさと残酷さを見せつけていました。でも驚いたのは、福士さんだけは、この状況でも笑っていたのです。最初、強がりとも、照れ笑いとも取れる笑顔かと思いましたが、本人はレース後のコメントで「競技場が見えてからは頭の中が真っ白になり、全く記憶がない」と言っています。あれは無意識の笑顔だったのでしょうか。

私は、最後の力を振り絞るための『本能としての笑顔』だったのではないかと思っています。笑顔は向ける相手に幸せを与えますが、自らにもパワーを生みます。「苦しい時、辛い時、嘘でもいいから笑顔を作ってみると心が晴れて、力が湧いてくる」と言われます。よって極限状態になった時、人間は生きるために笑うのではないか。福士さんの笑顔は、まさに最後の力をふりしぼるための『本能の笑顔』だったのかと。

“トラックの女王”にとっては、苦いマラソンデビューでしたが、彼女は競技場を後にする際、「おもしろかったかな」と笑ったそうです。こちらは強がりと周りへの気遣いの笑顔かもしれませんが、これを聞いて改めて「さすが福士、やっぱり、この人、むちゃくちゃすごいよ」とつぶやきました。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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