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藤村幸司
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舞台は楽し~Garantido ガランチード -生きた証-
2010-02-24 Wed 22:06
東京芸術劇場
先週末は、東京・池袋の東京芸術劇場で開幕したばかりの、TSミュージカルファンデーションの新作ミュージカル『Garantido ガランチード - 生きた証 -』を観てきました。これは、2003年に上演されたTSの『砂の戦士たち』がもとになっている作品。吉野圭吾さんと坂元健児さんは引き続き出演していますが、特に続編と言うわけでもなく、まったくの新作として観ても違和感はありません。(7年前のことで、記憶が虚ろなこともありますが・・・)

ストーリーは『砂の~』同様に、ある劇団が舞台。前作で坂元さんが筋トレ好きの劇団員だったり、吉野さんはダンスが得意だったりと、「当て書き?」(特定の役者を想定して書かれた台本)と思わせる場面も多かったのですが、今回はもっとわかりやすい。というのも、吉野さん演じる劇団のリーダーが“吉村”、坂元さんは客演として参加する役者“紀元”、畠中洋さんは“畠野上”、樹里咲穂さんが“千里”・・・という具合。劇団員の絆や仲間意識の物語を縦糸に、劇中劇として演じられる、ブラジルに生きた日系人たちの苦闘を描いた舞台『Garantido』が横糸になって、稽古場とブラジルが行ったり来たり。これらが巧みにからみあい、「人は何のために群れを作るのか?仲間とは何か?祖国とは?そして日本人として生きるこということは」と観客に問いかけます。

TSの主宰で今作品では演出、振付を担当している謝 珠栄さんが、パンフレットの寄稿で明かしたエピソードには驚かされました。彼女がかつて、青春時代に影響を与えた劇団の代表が亡くなった時、追悼の舞台として企画したのが『砂の戦士たち』だったこと。しかし企画が進む途中で、「役者に降板され、脚本も書き直し、作曲家にも逃げられ、にっちもさっちもいかない最悪な状況になった」こと。その時の謝さん自身が、この舞台に出てくる“吉村”だということ。

たしかに『砂の~』は、公演前のチラシと本番では、急にキャストが変更していたことは記憶していましたが、まさかあの舞台裏がそんな状況だったとは。謝さんが、まったくの新作とはせず前作の構成を引き継いだのは、不完全燃焼だった思いをこの『Garantido ガランチード - 生きた証 -』にぶつけたかったのだと思います。毎回、開演前や終演後のロビーに顔を見せる謝さん。今回は、前回よりもはるかに晴々した表情に見えたのは、どうやら気のせいではないようです。

ちなみに、「Garantido‐ガランチード」という言葉は、ブラジルの「ジャポネス・ガランチード」から来ているそうで、直訳すると「日本人は保証つき」。約束は必ず守る、借りた金は返すなど、「日系人なら間違いはない」というブラジル社会での暗黙の了解をさす言葉だとか。異国の地で日系人たちが築いた信頼を、我々は汚していないか?そんなことも考えさせられました。

見どころはいくつもありますが、ブラジルの格闘技であるカポエイラを融合させたダンスは迫力十分で目が離せません。そしてこの舞台で、圧倒的な存在感を見せているのが、坂元健児さんの歌。力強く、伸びやかで、かつ繊細で切ない。この役者さんの舞台も数多く観ていますが、サカケンの魅力再発見!という印象でした。吉野さんにはもっと、踊ってほしかったのですが、今回の役柄ですから仕方なし。ただ、舞台で吉野さん、坂元さん、岸祐二さんの3人の長いシーンがあるのですが、『レ・ミゼラブル』の新旧アンジョルラス勢ぞろいという感じで、ワクワクしました。今月いっぱい、上演中です。
Garantido.jpg
DATA
【企画・演出・振付】 謝珠栄
【脚本】 大谷美智浩
【作曲・音楽監督】 林アキラ
【出演】 吉野圭吾、坂元健児、畠中洋、樹里咲穂、岸祐二、伊礼彼方
西村直人、良知真次、川本昭彦、平野亙、島田邦人、上口耕平      
【日程】 2010年2月19日~2月28日
【会場】 東京芸術劇場中ホール(池袋)

公式HP『アナウンサー藤村幸司ドットコム』
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