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藤村幸司
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菅総理、今度こそ
2010-06-08 Tue 14:16
きょう、菅新内閣がスタートします。民主党には裏切られたと感じながらも「今度こそは」と期待する国民の切なる思いが、世論調査の支持率V字回復にも表れています。菅さんと言えば、薬害エイズ事件で厚生大臣として初めて国の責任を認め、被害者に謝罪する場面、O-157騒動のとき、風評被害に見まわれたカイワレ大根の安全性を表すために記者会見でむしゃむしゃ食べるシーン、国民年金未納問題で、自身にも未加入期間があることが発覚した後、自分を見つめなおすとして、四国八十八か所の霊場巡りをする丸刈りのお遍路姿などを思い出す人が多いでしょう。各局のニュースや情報番組でも当時の映像が繰り返し流されています。

でも私の中にある強烈なイメージは、長崎・諫早湾干拓事業の管理事務所を訪れて、現場の職員に「ただちに排水門を開けろ」と、ものすごい剣幕で詰め寄っている菅さんです。その迫力と熱血ぶりに圧倒されました。7キロに及ぶ潮受け堤防で諫早湾が切り取られた“ギロチン”から13年。私は締め切り前から長年にわたって取材し、当時『ズームイン!!朝!』でも何度も取り上げました。この事業は調べれば調べるほど疑問が増えていきましたが、巨大な国の事業は止まることなく着々と進んでいきました。そんなとき、何度も現地に足を運び干拓事業そのものを批判し続けたのが、菅さんでした。そして2003年には、当時の民主党代表として衆院選のマニフェストでも「事業の即時中止」を約束したのです。

ところが、この党本部が作った全国向けのマニフェストと、地元長崎県連の公約とは、まったく正反対だったのです。県連は事業推進の立場、いわゆる本部と地方の“ねじれ”でした。寄り合い所帯で意見がバラバラと言われた民主党の象徴でもありました。どちらを信じればいいのか、このときの長崎の選挙は非常に分かりにくいものでした。私は 県連代表で衆院長崎1区選出の高木義明議員に何度も疑問をぶつけました。高木さんは党の国対委員長や副代表を務めた大物議員で、いつも私の不躾な質問にもていねいに、そしてストレートに答えてくれる方ですが、この件に関しては、そのたびに「菅さんに話して理解してもらう」「党本部に県連から強く要望する」と言いながら、ずっと“ねじれ”は続いたままでした。

そして今、干拓事業は完成しました。でも、問題は終わっていないのです。諫早湾を含む有明海は、環境が大きく変化し、漁業被害が深刻です。そしてついに政府、与党の検討委員会が「潮受け堤防の排水門を開門すべき」との報告書を出しました。これまでの経緯を知っているものとしては、衝撃の結論です。一方、営農者や干拓推進派は大反対をしています。この中には民主党の西岡武夫参院議員もいて、「現地に座り込んででも開門を阻止する」と声を上げています。

そこで、この問題を先頭で批判してきた菅さんが、新総理となってどう対応するか、注視せねばなりません。奇しくも、農水大臣には、長崎3区の山田正彦議員が決まりました。すでに事業が完成し農業が始まっている今と、あの当時とでは状況は変わっていることは間違いなく、軽々に「開門すべき」とも「開門反対」とも言えません。しかし、いまだに地元では対立や混乱があるのも事実です。民主党は13年たっても変わらぬ“ねじれ”で、寄り合い所帯を露呈するのか、政権政党としての成熟を見せつけるのか、ここでも「今度こそ」と期待したいのです。

公式HP『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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