藤村幸司
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おめでとう、世界遺産・平泉
2011-06-27 Mon 23:19
会う人、会う人、あいさつは「おめでとうございます」、まるで、お正月のようでした。この週末、岩手県平泉町へ行ってきました。もちろん『世界遺産登録』の取材のためです。パリでの審議が延び延びになり「正式決定」の報が届いたのは、きのう未明のこと。意外だったのは、地元の皆さんが、歓喜に浮かれているというより“ほっ”とした表情だったこと。というのも3年前、登録確実と言われていた中での“見送り=落選”を味わっているからです。「今度こそ」という祈りが届きました。
平泉号外
落選から3年の間に、地元の意識が大きく変わったと聞きました。登録運動を行政にだけ任せておくのではなく、町民が自らゴミ拾いの活動をしたり、それぞれの自宅の庭を手入れしたり、観光客にお茶をふるまったりしました。ひとりひとりが世界遺産にふさわしい町作りを考えるようになったのです。さらに、平泉の歴史を今一度、学びなおそうという動きも活発になりました。その柱となるのが、戦乱の時代を経て奥州藤原氏が目指した「命あるもの皆平等、平和世界の実現」という精神です。世界遺産の調査団は、この町民意識の高さに感銘を受けたといいます。寺院や庭園、自然環境はもちろん、地域の文化と精神も世界遺産にふさわしいと判断されたんだと思います。世界遺産になると、いいことばかりではなく、数々の制約、制限が増え、暮らしにくくなる部分が確実に増えます。町民はそんな覚悟と、遺産を守る責任を感じているからこそ、はしゃぐのではなく、心の奥深くで喜びをかみしめているように見えたのかもしれません。
月見坂
まだ観光客の姿もまばらな早朝の『中尊寺』。参道となる『月見坂』は樹齢300年~400年という杉並木です。ここを上っていくと、不思議にも心が落ち着き、神妙な気持ちになってきます。澄んだ空気、立ち並ぶ老杉、目にまぶしい緑と、こぼれる朝日、鳥のさえずり・・・、パワースポットとはこんな場所を言うのでしょう。ただし世界遺産決定の日の昼間にも行ってみると、雨の中、月見坂には傘の長い行列が・・・。これだとあまり風情を感じられないかもしれませんので、中尊寺に行くなら朝早くがおすすめです。
金色堂
平和な世界=浄土を再現した平泉の象徴が『金色堂』。実際にその地に立つと、写真や映像で見ていたときには感じなかった迫力や凄味を感じることができます。美しい金のお堂に施された螺鈿(らでん)細工や蒔絵の装飾、荘厳な仏像の数々。公開はされませんが、お堂には初代の藤原清衡、2代基衡、3代秀衡のミイラとなった遺体と4代泰衡の首が納められているのだとか。大火に遭っても、ここだけは約900年前の創建当時のまま残っているのは決して偶然ではなく、長い歴史の中で地元の皆さんが命がけで守り続けてきた証です。

このほか毛越寺の浄土庭園や金鶏山など5つの構成施設からなる世界遺産・平泉。派手な観光地ではありませんが、清衡の目指した争いのない世界に思いをはせながら歩いてみると、今の世界情勢にも通じる、今だからこそ必要なものが見えてくるような気がします。そして被災した東北の復興の光になることを祈ります。

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ミクロの決死圏が現実に
2011-06-22 Wed 18:29
もう10年以上前に体験した胃カメラ(内視鏡)の苦しさは、今でも思い出すだけでムカムカしてきます。そんな私が先日、大阪市立大学病院で、最新“胃カメラ”事情を取材した際、「飲むだけのカプセル型カメラは、口から飲み込んで自然に排出されるまでを撮影するだけで、本当に見たい場所に留まって、自在に向きを変えて撮影することはできない。まだまだホース型の胃カメラが主流」と言われ、ちょっとがっかりしました。「でも、かなり開発が進んでいて、近々、外からコントロールできるようになる」とも聞いていたのですが、その通りのうれしいニュースが飛び込んできました。
カプセル胃カメラ
体の中を自由に動き回り、狙った患部を目指して撮影できるカプセル型内視鏡が完成したというのです。大阪医大や龍谷大などのチームが、人の胃や腸の内部の撮影に成功しました。世界初の技術です。長さ4.5センチ、直径1.2センチのカプセルカメラ、飲み込んだら体の外から遠隔操作で進んだり戻ったり、向きを変えることもできるとは、SF映画『ミクロの決死圏』が現実になったようなもの。これなら患者の負担を減らし、食道から大腸までを数時間で調べられるので、がんなどの早期発見にも力を発揮しそうです。早ければ、数年のうちに実用化される見込みです。
ズラリ胃カメラ
検査は大事だと思いながら、あの苦しさと、人の口に入れた管を入れられる抵抗感で、胃カメラを避けてきたのですが、最近は管も細くなり、鼻から入れる胃カメラもあります。検査前の痛い筋肉注射も、今はしないそうです。大阪市立大学病院では年間1万件を超える内視鏡検査や治療を行っているとあって、カメラの数と種類の多さに驚きました。また胃カメラ専用の洗浄機がズラリと並んでいて、何段階にも洗浄と消毒を繰り返していることも知りました。医療現場だから当然のことかもしれませんが、我々胃カメラ恐怖症にとっては、これを先に見ていたら、少しは気分が違ったかもしれません。
胃カメラ洗浄
戦後間もなく、世界で初めて胃カメラを実用化したのは日本。その技術は、さらに進化を続けています。あれだけ怖かった胃カメラが少し身近な存在になりそうです。

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お遍路の魅力
2011-06-16 Thu 22:56
お遍路ルック
きょうの『ミヤネ屋』では、最近、菅総理の発言から再注目されている『お遍路』を特集しました。正直、私自身いままで大して興味があったわけではないのですが、作家で“お遍路の達人”でもある家田荘子さんと打合せで話しているうちに、どんどんその魅力に引きこまれてしまいました。四国八十八カ所を巡ると、直線なら東京から沖縄にまで達する距離。そのうえ急な勾配あり、足場の悪い危険なところありと、かなりハードな旅です。それを家田さんは6回終えて、今7回目に挑戦中だというから驚きます。

取材に執筆、講演やメディア出演など多忙な家田さんが、どうやって歩いているのかと思えば、「2泊3日が基本」だそうです。これを「つなぎ遍路」と言うそうで、毎月2泊3日のお遍路を続け、1年かけて八十八カ所を達成するのです。春や秋のいい季節だけではなく、この梅雨どきも、過酷な真冬や真夏も経験することで、季節を体で感じられるのも魅力だそうです。

そんな達人の家田さんでも、歩きながら「なぜ、こんな辛いことをしているんだろう」と自問自答しているのです。その苦しい行程の中で、精神を研ぎ澄まし、自分を見つめなおす旅。訪れるごとに違ったものが見え、違う感動が生まれるというのも理解できます。家田さんのお話自体が魅力的で、私も自分再発見のため、まずは「つなぎ」でお遍路したくなりました。

そんな家田さんの体験から書かれたのが『四国八十八ヵ所つなぎ遍路』。新書ながら分厚い一冊で、「思いを込めたら太くなった」とか。女性ひとりでも安全に歩けるルートや、お遍路道の特徴、札所の紹介、エピソードがたっぷり詰まっています。目を通していると、まだ出かけてすらいないのに、自分が八十八カ所を達成した時のことを思いワクワクしてきます。私のように日々、時間に追われる生活をしている人こそ、お遍路に挑戦してみる価値があるような気がします。


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若手がいざなう歌舞伎の魅力
2011-06-12 Sun 23:16
最近、このブログはミュージカル話が多かったので、きょうは歌舞伎のことを少し。歌舞伎は、一旦はまると面白いのですが、最初は小難しそうで取っつきにくく感じている人も多いでしょう。そんな方には、まず『歌舞伎鑑賞教室』をおすすめします。通常の公演に比べ時間が短く、値段も安めなので、気楽に行けます。京都・南座では毎年春に、東京・国立劇場では6月、7月に行われていて、全国各地でも公演されています。値段が安いとはいえ、本格的な歌舞伎の演目が観られますし、その前に初心者にも分かりやすい解説コーナーがあるのがいいのです。
国立劇場
国立劇場の今年の歌舞伎鑑賞教室は『義経千本桜』。これは源平の戦いをモチーフにした長い長い物語ですが、そのうち6月は有名な『河連法眼館(かわつらほうげんやかた)の場』を上演中(~6月26日)です。この場面の主人公は源義経の家来・佐藤忠信に化けた子ギツネ。実は義経の愛人・静御前が大切にしている鼓は、そのキツネの親の皮でできたもの。親を慕うあまり忠信になりすまし、静御前のお供をしていたのです。ところが、正体がばれてしまって物語はクライマックスへ・・・。キツネと忠信の二役を演じるのは中村翫雀(かんじゃく)さん。家系から縁遠かった役のため、ベテランにして初挑戦の役ですが、子ギツネらしい小気味よい動きとかわいらしさに加え、親への深い愛情を激しい所作で情感たっぷりに魅せてくれます。
義経千本桜
早変わりや瞬間移動などのカラクリ演出も見せ場です。歌舞伎では「外連(けれん)」といい、大道具や小道具の仕掛けによって、観客を驚かせます。いったいどうなっているのか、不思議ですが、国立劇場に隣接する『伝統芸能情報館』では9月19日まで企画展示『歌舞伎入門~義経千本桜の世界~』を開催中で、仕掛けの種明かしや解説、本物の道具類を見ることができますので、併せてチェックしておくと、より楽しめますよ。
伝統芸能舘義経
さらに見逃せないのは舞台の右手に座っている弁士(太夫)と、伴奏の三味線。『義経千本桜』はもともと人形浄瑠璃のために作られた義太夫狂言で、三味線の伴奏に合わせ、太夫が情景や登場人物の心理を語りながら進行します。振り絞るように語り続けるその迫力は言霊となって響きます。昔のセリフなのでなかなか理解しにくいのですが、鑑賞教室では電光掲示板で文字が出るので安心。どっぷり歌舞伎の世界に浸れます。

この歌舞伎上演の前の解説コーナーを担当するのが中村壱太郎(かずたろう)さん。キツネを演じる翫雀さんの息子さんで、まだ20歳。本編では美しく凛とした静御前を演じますが、解説では袴姿で登場。イケメンながら、隣のお兄さん的な何とも親しみやすいキャラクター。映像を使って、優しい語り口とユーモアたっぷりに、歌舞伎のイロハやうんちくを教えてくます。この“しゃべり”が実にうまくて感心します。これなら誰もが歌舞伎を身近に感じられるはずです。歌舞伎鑑賞教室は、こんな若手の役者さんが重要な役で出演するのも楽しみで、今回は17歳の中村隼人さんが、解説コーナーは静御前で女形かと思えば、本編では義経の家来に変身。また21歳の坂東巳之助さんが真っ赤に化粧して演じた、血気盛んな家来・亀井六郎のインパクトは十分十二分。少々荒削りでも、こんな若々しい舞台は観ていてさわやかな気分になります。彼らの成長を見届けたいという気持ちが生まれると、もう歌舞伎の魅力にはまった証拠です。

この『義経千本桜』の鑑賞教室、来月3日からは『渡海屋(とかいや)』『大物浦(だいもつのうら)』の場が上演されます。尾上松緑さん(36)が、祖父の二代目松の当たり役、悲劇のヒーロー・平知盛に初挑戦。また長男の藤間大河(たいが)くん(5)も出演し親子共演も楽しみ。解説役は26歳、尾上松也さん。

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レミゼのあとは・・・
2011-06-11 Sat 23:17
帝劇チケット売り場
どこでもドアがあったなら、今すぐ飛んでいきたい心境なのです。いよいよミュージカル『レ・ミゼラブル』オリジナル演出版が、あす東京・帝国劇場で千秋楽を迎えます。日本初演から24年、私がとりこになって10年。何回、何十回と観ても、色あせることなく新鮮な感動を与えてくれる作品でした。観るたびに深く、深く物語の中に引きこまれていく不思議なパワーがありました。よく言われる「神が地上に舞い降りて作った舞台」という表現は、決して大げさではありません。そんな四半世紀分の熱烈ファンが全国にいるわけで、楽日、前楽のチケットは超レア。私は手に入れることもできず、ただ千秋楽までカウントダウンをするのみなのです。
100年帝劇
というわけで、私の“レミゼ千秋楽”を先週、迎えてきました。ジャンバルジャンはSPキャストで観た別所哲也さん。2003年初登場では、若さが際立つバルジャンでしたが、今ではまるで、バルジャンの生涯を体に刻みこんだかのよう。演技の繊細さと大胆さが見事に融合して、迫力をもってバルジャンの心情を伝えてくれます。最後の告白のシーンでは、涙が光っていたように見えました。同じ2003年、少女であるエポニーヌを演じていた新妻聖子さんが、なんと母親のファンティーヌ役。彼女の美しい歌声が、幸せの薄い女性のはかなさも、愛情深い母親の強さも表現します。新妻ファンテ、いいです。2007年マリウスでデビューした山崎育三郎さんは、私のイメージするマリウスそのもの。ボンボンで頼りないけど、心はまっすぐ一直線でピュアなイケメン。今回観た育三郎マリウスからは、これまで感じていた単純なボンボンだけではない、葛藤する大人の顔も見せました。そのほか、今拓哉さんのジャベールは凄味を増していたし、毎回、観客を爆笑させるマダム・テナルディエの森公美子さんのアドリブ?は、全体的に暗い話の中での清涼剤、ますます面白くなっているし・・・。おなじみ笹本玲奈さんのエポニーヌは、すでに安定感たっぷりで、初アンジョルラスの上原理生さんは舞台経験は少ないながらも、劇場に響き渡る迫力ある声量と、すらりとした長身は役にはまっていて、次も楽しみ・・・なのに、終わってしうのですね。寂しい。

今後は新しい演出になって、レミゼは続くのですが、その主な変化は回り舞台(盆)がなくなることのようです。これほど“盆”を効果的に使った舞台はなかっただけに、「レミゼから盆を取ってどうするんだ」と、個人的には残念なのですが、まぁ次回、生まれ変わった新レミゼに出会えるのを楽しみに待つとしましょう。
風と共に去りぬポスター
ところで、100周年記念の帝劇はレミゼが終わったあとは『風と共に去りぬ』が開幕します(6月18日初日)。映画で有名な原作をもとに1966年、帝国劇場が新装開場記念として世界で初めて舞台化した作品で、このたび伝説の舞台の復活となります。よってミュージカル版もありますが、これはストレートプレイ。南北戦争動乱期のアメリカ南部で、激動の時代を自分らしく生きようとする女性、スカーレット・オハラの半生を描きます。その主役スカーレットを米倉涼子さんが演じることで話題を集めました。

実は、その『風と共に去りぬ』が帝劇公演の前に現在、大阪・梅田芸術劇場で上演中。先日、宮根さんに誘われて、おっさん二人で観てきました。気が強くて、わがまま、でも美しく情熱的で、しっかり前を見て生きていく女性、スカーレットはまさに米倉さんのはまり役。体当たりの演技でスカーレットを体現しています。舞台キャリアは『CHICAGO』『黒革の手帳』くらいですが、その舞台映えには圧倒されました。相手役、レット・バトラーの寺脇康文さんとの絶妙な息も楽しめます。そして岡田浩暉さん、元宝塚トップスターの紫吹淳さんら芸達者な面々が脇を固め、舞台を引き締めます。スカーレットが心を寄せるアシュレイを演じる岡田さん、私と同世代ながら、いつまでも品のある青年役がよく似合います。レミゼでは岡田さんのマリウスもいいんです。そしてスカーレットに嫉妬の炎を燃やされながらも彼女を姉のように思い慕っているアシュレイ夫人のメラニーを演じる紫吹さんの純粋さ、けなげさも光ります。

終演後、楽屋へごあいさつへ。この舞台、出演者が多く、豪華な衣装もいっぱいですから、途中の通路にまで衣装があふれていました。そして熱演後の米倉さんは、舞台のスカーレットのようにパワフルで、こちらでも圧倒されました。作品への熱い思いは日々、物語を熟成させていくことでしょう。それにしても、近くで見た米倉さんの顔の小さいこと。美しかったです。

『風と共に去りぬ』は梅田芸術劇場で6月12日(日)まで上演中

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20年目の6・3(ロクテンサン)
2011-06-03 Fri 12:47
1991年6月3日午後4時8分、あれからずっと『6・3(ロクテンサン)』が頭から離れることなく、きょうまできました。地獄のような光景を目にしました。でも、あの日からが本当の地獄でした。

43人の犠牲者を出した雲仙・普賢岳の大火砕流惨事から丸20年です。その後も、数々の自然災害が起き、被災地を取材してきましたが、その度に常に『6・3』を思い起こし、「これでいいのか」と自問自答してきました。私の取材の原点が『6・3』です。終息宣言が出るまで5年半もかかった長期災害は、我々マスコミに数々の教訓を与えました。被災者への心無い取材、被災地でのモラルのない取材、そして取材拒否・・・。では、はたして今、マスコミは取材の仕方、伝え方で、どれほど成長できたのでしょうか。教訓は生かされているのでしょうか。確かに、十分ではないにしろ、当時と比べると被災地での取材倫理は格段に上がったと感じます。でも、現在も続く東日本大震災の被災地の実情をどれほど伝えられているのかとなれば、自信がありません。

取材で知り合った被災者の男性から、昨夜メールをもらいました。「仮設住宅の抽選も外れて、まだまだ避難所生活は続きそう。我々がこうやって踏ん張っているときに、国会議員の先生たちは、いったいどこを見ているんでしょう。いったい誰のための政治なのでしょうか」と。「誰のための政治」は、私には「誰のための報道」とも聞こえます。

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ミュージカル『レ・ミゼラブル』SPキャスト
2011-06-02 Thu 22:35
10回、20回、30回・・・幾度も観劇し、ストーリーも、曲も頭にこびりついているはずなのに、またもやここまで心を揺さぶられるのは何故なのか、観る度に“泣き所”が違うのはどうしてなのか。まさに「不朽の名作」と呼ぶにふさわしいミュージカルが『レ・ミゼラブル』です。おそらく私自身も一生、観続ける作品だと思っていますが、現在上演中の帝劇公演に付いたサブタイトルが「さよなら レ・ミゼラブル」。さよなら・・・に一瞬、“レミゼ”ファンはギョッとしたはずです。
100レミゼポスター
といっても、レ・ミゼラブルが終わってしまうわけではありません。ジョン・ケアードによる演出バージョンが最後なのです。ロンドン初演から25年あまり、帝劇での日本初公演から24年を迎えたレ・ミゼラブルは、25周年を機会にプロデューサーのキャメロン・マッキントッシュが新しい演出によるレ・ミゼラブルを制作、これからの四半世紀はそちらを上演することになったのだそうです。そうなると新しいレミゼが気になるところですが、ジョン・ケアード版は初演以来のオリジナル演出。慣れ親しんだレミゼが今回の千秋楽(今月12日・2572回)で見納めとなるというのはファンとしては複雑です。
帝劇ロビー
その『レ・ミゼラブル』は、帝国劇場開場100周年の記念公演でもあります。レミゼ2000回(05年)、レミゼ20周年(07年)など、記念公演ではおなじみになってきたスペシャルキャスト版に先日、行ってきました。鹿賀丈史さん、岩崎宏美さん、島田歌穂さん、林アキラさん、斎藤晴彦さんという1987年初演メンバーに加え、別所哲也さん、石川禅さん、岡幸二郎さんら、レミゼの歴史を作ってきた役者さんたちがズラリ。加えて初演以来のレミゼ復帰となる鳳蘭さん、ミュージカル初出演で通常版にも出演中の加藤清史郎くんまでいるのですから超・超豪華。

有名キャストが揃っただけではありません。作品の仕上がりが実に、素晴らしかったです。我々アナウンサーは「原稿を“読む”のではなく“語る”」ことを心がけていますが、スペシャルキャストの役者さんはミュージカルナンバーを歌っているのではなく、語っていることを実感できました。旋律に乗ったひとこと、ひとことが心に染み入ってきます。特にファンテーヌ役の岩崎宏美さんの歌唱力は今さら言うまでもありませんが、時に強く、時に優しく、切なく寂しげで、そしてかわいらしさまで表現していて圧倒されました。ロビーには出演者からの手書きメッセージが掲げられていますが、岩崎さんのそれには「心を歌にのせて捧げます」とあります。その通りの演技でした。
岩崎宏美
通常版では主人公を追うジャベールを演じる石川禅さんは、革命を志す学生・マリウス役。実年齢を考えると学生役はつらいところですが、これがベテランの安定感を見せながら、若者の青さ、ういういしさ、危うさが絶妙なのです。「♪カフェソング」は泣かせます。同じく通常版でジャベールの岡幸二郎さんは学生のリーダー・アンジョルラス。これまで多くの役者が演じましたが、背が高くて声が響く岡アンジョはまさに当たり役。若いキャストたちによるレミゼもいいのですが、ベテランたちが揃うと締まります。

そうそうたるスペシャルキャストを相手に主役ジャンバルジャンを演じる別所哲也さん(今井清隆さんとのWキャスト)。20代のはじめにレミゼ日本初演を観たのが役者を志したきっかけだというだけあって、繊細な演技から感じる思い入れは特別です。この人のバルジャンは03年以来、観るたびに深みが増していて、いま円熟期に入りつつある気がします。広い舞台を小さな体で駆け回る清史郎くんも魅せています。彼の演じる少年・ガブロッシュは命がけで集めた銃弾の入ったカバンを、砦の上にいる学生に投げるシーンがあります。前を向いたまま後ろに大きなカバンを投げるので、届くのは難しく、これまでの私の観劇の中で受け取ってもらった確率は45パーセントほど(適当)。それが私が観た回は清史郎くんのカバンはドンピシャ。またそのあと死んでいくシーンは大人顔負け。ここまでガブロッシュに注目したことはなかったのですが、目立たないところでも細かい演技が盛りだくさんで満喫しました。
かとうせいしろう
そんな感動いっぱいの『レ・ミゼラブル』オリジナル演出版も、あと10日。気持ちは残り全部行きたいくらいですが、当然そんなことは叶わず、私の観劇はあと1回となりました。しっかり心に焼き付けてきます。



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横尾忠則いまどうしてる?西脇展
2011-06-01 Wed 18:19
先日、講演のため兵庫県西脇市に行ってきました。加古川市出身の私、宮根さんからは「西脇やったら地元みたいなもんやろ」と言われました。昔で言えば同じ『播磨国』ですし、JR加古川線で一本、時間にして1時間ほどですから、よそから見れば同じエリアなのかもしれませんが、実はこれまで西脇を訪れた記憶がありません。というわけで今回は仕事とはいえ、初めての西脇市訪問。実は以前から一度行ってみたいところがあったので、ドライブかたがた予定より早めに入ってその場所へ向かいました。
日本へそ公園駅
ちなみに西脇市には東経135度と北緯35度が交差している“日本列島の中心点”があります。つまり「日本のへそ」の町です。“へそ”周辺は公園として整備され、JRの駅名はそのものズバリ『日本へそ公園駅』とわかりやすい!その駅のすぐ脇が、前から行きたかった場所。線路と平行して建ち、のどかな風景の中にも違和感なく見える建物。ホームに停車している列車をイメージして設計されたという、そこが『岡之山美術館』です。
岡之山美術館
ここは西脇出身の美術家・横尾忠則さんの作品を展示する美術館。子どものころ見ていたドラマ『ムー』や『ムー一族』のタイトルバックの絵を提供していたのが横尾さん。描かれている人や物、色づかいが斬新で、衝撃的な印象を受けたことを覚えています。当時、中学校の美術の先生からは「西脇が生んだ天才だ!」的な話を聞いていたこともあって、それ以来、横尾作品をチェックしていました。当然、ここ岡之山美術館は、ぜひ行ってみたいと思っていたのです。

今は企画展『横尾忠則いまどうしてる?西脇展』が開かれています。横尾さんの作品55点の周りには、横尾さんのツイッターでのつぶやきがぎっしり並んでいます。今や横尾さんのツイッターはテレビ番組になるほど有名ですが、作品とつぶやきを交互に眺めていると、これまでに見たことのある作品が、また違った見え方がするので不思議です。一見、関係のないような作品に付けられた“つぶやき”。読み解く気分で見ていても楽しいものです。

東日本大震災についても「今回の地震を自分の問題とできる者と、そうでない者によって今後の日本を二つに分けるだろう」とつぶやき、「南三陸に住み、海ばかりを描いている女性の画家が、津波で多くの人の命を奪った海を今後、描くべきかどうかで迷っていた。そんな時、町長や知人が「津波の翌日の朝のきれいなあの時の海を描いて下さい」と言われた。この言葉には自然を敵対視しない日本人の自然観と芸術を信じる言霊が宿っている」と横尾さんは言います。ここでも、芸術の持つ無限のパワーを感じずにはいられませんでした。

この企画展は9月25日まで開催中(月曜休館)。



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