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藤村幸司
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これもテレビ現場の一面です
2007-07-10 Tue 04:39
テレビの制作現場では、出演者や取材先、撮影場所探しに、毎回苦労しました。たとえば、経済の企画で「猛暑でエアコンの売り上げ急上昇」という取材をしようとします。そこで、ある電器店の撮影をしたいと思っても、店長や経営者の許可はもちろん、全国チェーン店の場合は、本部に対しても、詳細な企画書を出して、取材意図や取材内容を説明し、OKをもらわなばなりません。

「社内で検討します」と言われ、許可が出るまでに数日、長い時には数週間かかることもザラでした。取材をお願いする時点で、すでに放送日が迫っていることがほとんどなので、もし断られたら大変。その店限定の取材なら、それでアウトですが、同じような店でいい場合は、最初から複数の店にお願いしておくという、“ふたまた”、“みまた”も当たり前でした。

取材はOKだけど、「店の名前と電話番号を出して」とか「キャンペーンの宣伝をさせてくれるなら」という交換条件が出されることもありました。当然、「協力するのだから見返りを・・・」という思いもわかりますが、私の担当していた情報番組や報道番組の場合は、それを受けませんでしたので、苦労もしました。

そのため、1度でも快く取材を受けていただいたところには、2度、3度と取材することになります。あるテレビ番組で、スーパーといえばここ、コンビニはここ、電器店はここというふうに、ある程度、取材先が固定化して見えるのは、そんな理由もありました。民放の場合はスポンサーという、別の背景もあったりしますが・・・。

それが、私の実感として、10年ほど前から変化が見られるようになりました。店や企業側から、テレビ局に「関連の取材があれば、積極的に受けますよ」という売り込みが増えてきたのです。もちろん、企画書をもとに説明するのは変わりませんが、これまでのような煩わしさは減りました。

それは、間違いなくテレビの力に気づいたからだと思います。たとえ、店の名前が出ないとしても、直接的なPRができなくても、「取材を受けることは宣伝効果がある」とわかったから、「取材ウェルカム~♪」と変化したのでしょう。

「積極的にテレビを利用してやろう」と。

逆に「テレビ取材はお断り」というのが宣伝になっている店も存在しますが・・・

安倍総理が、今月5日~6日、日テレとテレ東の番組に生出演したことが問題になっています。事実上、選挙戦に突入している中で「政治的公平を定めた放送法の趣旨に反する」と指摘されているのです。そもそも、この総理のテレビ出演も、総理サイドからの売り込みだったようです。自民党の下心は「積極的にテレビを利用してやろう」です。それだけ自民党は、苦しんでいることの表れでしょうか。

「イメージ重視の無党派層獲得はテレビでの露出が一番」と言われます。そこで自民党担当者がテレビ局を集めて「総理は報道番組はもちろん、朝の番組にも出ますよ、呼んでね~」と声をかけたと言います。それに乗ったのが2局、一方で「今、総理の出演は、放送法から公平性を保つのに微妙な時期だ」と、受け入れなかった局もありました。

テレビの取材方法も変わりつつあります。売り込みも増えました。でも、それを自らどうコントロールするか。利用されるだけではない、伝える側の責任が大きくなっていると感じます。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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