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藤村幸司
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バキューン!・・・その弾は撃たせない
2007-07-25 Wed 15:18
先日放送があり、録画していた『はじめてのおつかい』の最新版を見ました。私はこの番組が大好きで、ほとんど毎回、ビデオを保存しているほどです。これを見ると、決まって泣きます。心が洗われます。そして、やさしい気持ちになれます。

今回の放送では、長崎の子どもも登場していました。私にとっては、ちょっぴり懐かしい風景も重なって、またもや涙、涙でした。そういえば、1年ほど前から、日テレのスタッフが長崎で、おつかいに挑戦する子どもを探していたのを思い出しました。大々的に宣伝して「出たい人」って呼びかければ、希望者は大勢いるはずですが、この番組、そんな出演依頼や一般公募は一切していません。出演する子どもは、すべてスタッフが各地に飛んで、自分の眼で探しているのです。

このことは、番組誕生時のコンセプトのひとつで、ほかに、「撮っていることを子どもに気づかれない」「子どもに嘘をつかない」「子どもの安全を最優先にする」という柱があります。そんな『はじめてのおつかい』の生みの親が、佐藤孝吉さんです。日テレの伝説に残る名プロデューサー、ディレクターで『アメリカ横断ウルトラクイズ』や『かるがもさんのお通りだ』など多くの名作を手掛けました。

私の師匠とも言えるトメさん(福留功男さん)が、『鬼の師匠』と呼ぶ佐藤さんですから、一方的に私は『大師匠』だと思っている方です。最初に佐藤さんにお会いしたのは15~6年ほど前。『ズームイン!!朝!』を担当している全国のキャスターたちが一堂に会し、番組について“かんかんがくがく”やるキャスター会議で講演された時です。

「家でテレビを見ながら、自分のことばで喋っていないキャスターやリポーターがいると、腹が立つ。そんなヤツらが画面に出ると、テレビに向かって、そのへんにあるモノを、手当たりしだいに投げつけている。死ね!ぶっ殺す!と言いながら・・・」

テレビを愛し、テレビに熱い男、そんな印象が残っています。出席したキャスターたちは「佐藤さんにテレビの向こうで殺されないようがんばろう」と、誓ったものです。あまりにモノを投げつけるので、見かねた奥さんが食卓の上にミカンを積み上げてくれたそうで、もっぱら撃つ弾はミカンに変わり(だから佐藤家では、年中ミカンがあったとか)、それも農家に申し訳ないので、今では指でピストルの形を作って、下手なキャスターめがけ「バキューン」と撃っていると聞きました。

要するに「視聴者も同じように怒っている。モノを投げない代わりにチャンネルを変えている。それでもダメならスイッチを切っている」ということ。チャンネルを変えられるのは、すなわち視聴者からのだというわけです。私はそれ以来、カメラの前では、いつも佐藤さんや視聴者のみなさんに弾を撃たれていないかを意識するようになりました。

それから15年ほど経って、去年、再び佐藤さんとお会いするチャンスに恵まれました。70歳になられた『大師匠』ですが、ますますエネルギッシュ。そして、気になる、あの話・・・。まだ、やっていらっしゃるのだろうか?

聞けば、今でも相変わらず毎日、何人ものキャスターやリポーターたちが「バキューン」の犠牲?になっているようです。なんだか嬉しくなりました。そして「よし、私にはその弾を撃たせないぞ」と、あのキャスター会議の時の熱い誓いが、よみがえったのでした。

佐藤さんの著書には、興味深いテレビの裏側がいっぱい書かれています。興味ある方はぜひ!↓


『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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この記事のコメント
#141
初コメントです!
長崎市在住の24歳です。最近メディアが批判される中、藤村さんの日記はテレビを愛する方々の裏話が聞けて、なんだかホッとします。
「はじめてのおつかい」はそういったキャスティングが行われていたのですね…
だからこそ素直に感動できる番組になるのでしょうね。
『大師匠』の存在は偉大ですw
2007-07-26 Thu 04:48 | URL | あり #I9hX1OkI[ 内容変更] | top↑
#142 ありさん
コメントありがとうございます。
これからも、私の出会った素敵な人たちのエピソードを紹介していきます。お時間があれば、またのぞきに来てください。
2007-07-26 Thu 14:25 | URL | 藤村幸司 #kCTSxNgQ[ 内容変更] | top↑
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