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藤村幸司
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粋な日本語が消えていく
2007-08-17 Fri 00:26
先日、『笑っていいとも!』を見ていたら、テレフォンショッキングにゲスト出演していた男性アーティストから「水菓子」ということばが出ました。「見かけによらず、味のあることばを知っているな」と思いましたが、よく聞いてみると、どうやら意味を勘違いされているようでした。

20070817001809.jpg大した用事でもないのに携帯電話がかかってきたらイヤだというタモリさんとのやりとりの中で、どうでもいい電話として「夏だから、(お土産には)水菓子か果物か、どちらがいい?と聞いてくる・・・」という例をあげたのですが、これでは、つじつまが合いません。

以前、私もまわりの若者たちに尋ねたことがあるのですが、『水菓子』ということば自体、聞いたことがないという人がほとんどで、「知っている」と答えた人でも、「水ようかん」や「水まんじゅう」「ゼリー」などと勘違いしていました。

私が、初めてこのことばに接したことを覚えているのは、中学生くらいのこと。日本料理店で食事したときに、その日、出される献立が毛筆で書かれていて、最後に『水菓子』とあったのです。てっきり、水ようかんが出てくると期待したのですが・・・。

長くなりましたが『水菓子』とは、「水ようかん」や「水まんじゅう」ではありません。正解は『果物』のことです。古代、菓子は「果子」とも書かれ、『正式な食事ではない、おやつやデザート」のようなものを、総称して「菓子」と呼んでいたそうです。それらは果物や木の実でしたが、江戸時代になると、外国からのお菓子や、日本特有のお菓子もでき、「菓子」というと人の手によって作られる食べ物を言うことになりました。そこで区別するために果物を、水分の多いお菓子という意味で『水菓子』と呼ぶようになったそうです。

今では、お菓子屋さんによっては、「水ようかん」などを『水菓子』と言うこともありますが、あくまで一種の業界用語であり、一般的ではありません。ただ、知っている人が少なく、使われなくなっていることを考えれば、しばらくすると、「水菓子=水ようかん」となってしまいそうです。私は果物を『水菓子』と言うのは、文字通り、潤いが感じられ、情緒があっていいと思うんですけど・・・。生活環境が変わって、粋な日本語が通じなくなるのは、ちょっと寂しい気がします。

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