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藤村幸司
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切っても落とせません
2007-09-23 Sun 13:19
代表的な“誤用”として、アナウンスの世界では、かなり知られているはずなのに、今でも1日1度は耳にするし、選挙期間やマラソンシーズンなら、日に何度も聞くことになるのが、これ。

「火ぶたを切って落とす」

どうですか?よく聞きますよね。「号砲一発、レースの火ぶたが切って落とされました」「総裁選が告示され、舌戦の火ぶたが切って落とされました」などなど、戦いが始まる時には、ワンパターンのように使われています。でも、これは間違った言い方なのです。

正しくは「~の火ぶたが切られました」。「落とす」は余分です。

この「火ぶた」とは、「火蓋」と書き、1543年に種子島に伝わった鉄砲=火縄銃の火皿をおおう真ちゅう製のふたのこと。火縄銃を発砲するのには手間がかかったらしく、まず銃口から発射薬を棒で押し込み、次に火縄に火をつけて火蓋を開き、引き金を引きます。すると火縄が火皿の点火薬に火をつけ、発射薬を爆発させ弾が発射されるという仕組みだそうです。

この「切る」とは、ハサミで切断するというようなものではなく、「開く」「外す」の意味。このことから、「火ぶたを切る」とは、もともと「火蓋を開けて発火の用意をする。また、発砲する」という文字通りの意味でしたが、転じて「戦闘行動を開始する」ことを表すようになりました。

私自身、これまで火縄銃を撃ったことがないので(当然ですが)、よくわかりませんが、火ぶたは切っても落とせないモノなのですね。同じような物事を始める意味の「幕を切って落とす」と、こんがらがっているのかもしれません。「火ぶたを切って落とす」は、どの放送局の『用語集』にも、代表的な誤用の例として書かれているのですが、なぜか減る気配がありません。

ちなみに、物事を一番先に始めて、きっかけを作る意味の慣用句「口火を切る」も火縄銃からきています。「火縄銃の火ぶたに点火するための火」のことが「口火」です。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』
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2007-09-23 Sun 13:44 プレサーチ
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