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藤村幸司
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耳ざわりです
2007-10-19 Fri 00:15
自民党の財政改革研究会会長の与謝野馨・前官房長官が、消費税率引き上げについてのインタビューで「1%ずつ上げて選挙に負けていたらしょうがない。選挙で負けるんだったら、ドーンと上げなくてはいけない」との発言をしました。まさに本音を述べたのでしょうが、これに反発したのが中川秀直・元幹事長。「選挙で負けることを前提とした政策はあり得ない。福田内閣退陣、自民党下野を前提とした議論に向かう」と批判しました。

言われなくても国民の多くは、このままでは日本の財政は破たんすると危機感をもっています。社会保障費を確保するためには、消費税の増税もやむなしとの、あきらめもあります。しかしです。その前にすることが山ほどあるはずです。いかに無駄を無くすかの議論を置き去りに、増税ありきの話が進むことには納得できません。経済財政諮問会議が「2025年度に約14兆~31兆円分の増税が必要で、消費税でまかなうなら11~17%まで税率を引き上げる必要がある」と試算を発表しましたが、とんでもない話です。

このニュースを見ていて、あることばの使い方にひっかかりました。それは町村信孝・官房長官の記者会見でのこと。「増税をはっきり言わずに、国民に耳ざわりのいいことばかり言っていていいのか」という旨のコメントでした。ひっかかったのは「耳ざわり」という部分です。

本来、「耳ざわり」とは「耳障り」と書きます。耳にして不快に感じることです。これが見て不快になるなら「目ざわり」ですね。つまり悪いときに使われるはずの「耳ざわり」なのに「耳ざわりがいい」と言うのは変なのです。言うなら「耳当たりのいい」くらいでしょうか。一方、「肌ざわり」や「手ざわり」、「歯ざわり」の「さわり」は「触り」と書きます。これは文字通り、感触を意味しています。だから「肌ざわりがいい」と言えるのです。これと混同して「耳ざわり」も、聞いた時の感触という意味で使われたのでしょう。

実際、その用法を見出しにしている辞書もあるようですが、誤用解説に詳しい『明鏡国語辞典』(大修館書店)には、「耳触りと解し、耳ざわりが良いのように使うのは誤用」と、はっきり書いてあります。誤用が浸透しているとはいえ、まだまだ、違和感のある「耳ざわりがいい」という表現。増税ありきの財政再建話。これこそ、どちらも非常に「耳ざわり」です。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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この記事のコメント
#225 長崎県人より
私も言葉には関心がある方なので こんな表現があると気になります。
藤村さんが長崎を去られて 1年近くになるんですね。ふと 去年のおくんちで 私が諏訪神社の観客席の入り口で並んでいた時 藤村さんらしき方(全くの人違いかもしれませんが)が 坂を駆け上ってこられたのを思い出しまして お名前で検索して ここにやってきました。毎日更新なさっていることに驚いています。これからも たまにですが お邪魔させていただきます。
2007-10-20 Sat 22:47 | URL | nyago #-[ 内容変更] | top↑
#226 nyagoさん
こんばんは。そして、ようこそ!!

くんちが終わって、長崎も一気に秋本番でしょうか。17年間、当たり前のようにくんちを見てきたので、今年はお諏訪さんに行けなかったことは、妙に寂しかったです。

思いついたことや気になったことを、つらつら書いているだけですが、また、お時間があれば、覗きに来てくださいね。
2007-10-20 Sat 23:20 | URL | 藤村幸司 #kCTSxNgQ[ 内容変更] | top↑
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