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藤村幸司
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間違って使っていませんか
2007-11-02 Fri 14:51
よく、メディアで耳にする間違い。皆さんも、使っていませんか。

「けんけんがくがく」
議論がヒートアップしたときに使われる表現ですが、これは間違いで、正しくは「かんかんがくがく(侃々諤々)」、「けんけんごうごう(喧々囂々)」です。これをミックスして、「けんけんがくがく(喧々諤々)」という誤用が生まれたのでしょう。

また正しく「かんかんがくがく(侃々諤々)」、「けんけんごうごう(喧々囂々)」と言っている人でも、どちらも同じ意味として使っている場合が多いようです。でも、このふたつ、微妙に意味も違います。「かんかんがくがく(侃々諤々)」は、議論している人たちが、思ったままを遠慮なく主張しあっているようす。一方、「けんけんごうごう(喧々囂々)」は、多くの人たちが口々にやかましく騒ぐさまです。どちらも白熱した議論で使える表現ですが、「けんけんごうごう(喧々囂々)」のほうが、怒号や野次が飛び交っている感じがしますね。

ところが、手元の電子辞書(広辞苑・第5版)で引いてみて、びっくり。間違いのはずの「けんけんがくがく」が見出しにあったのです。「侃々諤々と喧々囂々が混交してできた語。多くの人がいろいろな意見を出し、収拾がつかない程に騒がしいさま」と、あっさり認めています。長年、「これは誤用」と後輩たちに教えてきた私は、あせりました。

そこで、いざという時に頼りにする、誤用に詳しい『明鏡国語辞典』(大修館書店・北原保雄編)を開いてみると、こう書いてありました。「俗に口やかましく議論する意に使うが、誤用」と。ズバリ指摘してあって、一安心。いずれ新しい語として認められるのかもしれませんが、少なくとも、「かんかんがくがく(侃々諤々)」、「けんけんごうごう(喧々囂々)」を知ったうえで、使いたいことばです。

「おざなりとなおざり」
「おざなり(御座なり)」も、「なおざり(等閑)」も、いいかげんな仕事には変わりありませんが、これも意味が違います。私も使う時に「どっちだったっけ?」と考えることがあります。

電子辞書の広辞苑によると、「おざなり」は、「当座をつくろうこと。その場のがれにいいかげんに物事をするさま」、「なおざり」は、「あまり注意を払わないさま。いい加減にするさま」とあり、これだけだと何が違うのか、さっぱりわかりません。

ならばと、またも『明鏡国語辞典』の登場です。「おざなり」は、「誠意のない、その場かぎりの間に合わせであること」とし、「“なおざり”との混用から、おろそかにするの意で“対策をおざなりにする”などと使うのは誤用」との注釈付き。そして「なおざり」の項は、「物事を軽くみて、いい加減にしておくこと」と書かれています。

要するに、「おざなり」は、適当ながらも、一応するのに対し、「なおざり」は、ほったらかしで何もしないこと。ちなみに「おざなり」の語源は、「お座敷なり」と言われます。お座敷に呼ばれた芸者さんが、客のランクによって、一生懸命やったり、手を抜いたりする「それぞれのお座敷なりに、芸を変える」の隠語だとか。

『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

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