FC2ブログ
藤村幸司
http://fujimurakoji.blog91.fc2.com/
World Wide Weblog
言い換えは単純ではなく
2007-12-20 Thu 11:44
お役所の出す文書(公用文)は、とかく漢字やカタカナが多いのが特徴です。貼り付けることを、わざわざ「貼付(ちょうふ)」と言ったり、あてはめると書けばいいのに「準用」と表現してみたり。2年前に、東京・杉並区が『外来語・役所ことば言い換え帳』を出版するなど、ここ数年は、役所でも見直す動きが進んでいますが、それでも“まだまだ”という印象は変わりません。

ニュース原稿も、このお役所文書を鵜呑みにして、理解していない記者が書くと、難解な文で、さっぱり分からないものになってしまいます。難しい話を難しく書くのは誰にでもできること。『難解な文章をいかに、分かりやすく書けるか』が、できる記者の条件です。

中でも難しいことばが連発されるのが裁判の資料。「未必(みひつ)の故意」を「密室の恋」と勘違いしたという笑い話のような誤解例もありますが、記者自身に、高度な知識がないと、分かりやすい裁判原稿など書けません。でもこれは近々、記者だけの話ではなくなるのです。誰もが裁判官になりうる『裁判員制度』の実施が迫っているからです。

そこで日本弁護士連合会(日弁連)では、法廷で使われる専門用語を日常的な表現に言い換える作業を進めていたのですが、ようやくその最終報告が発表されました。61の法廷用語をわかりやすい言葉で言い換えています。

犯行を抑圧する」とまぎらわしい「反抗を抑圧する」は、「暴行や脅迫によって、肉体的あるいは精神的に、抵抗できない状態にすること」、「員面調書」は「警察官が、事件について、容疑者を取り調べたり、被害者その他の関係者から事情を聞いたりして、その内容を書き記したもの」と言い換えることにしています。

でも、これでは『言い換え』と言うより、長すぎて『解説』の域です。法律上の意味が変わらないようにしたために、単純な言い換えができなかったのだと推測できますが、何も機械的に同じ用語に、同じ言い換えを当てはめる必要もないと思います。事件、事件によって、状況は違っているのですから、分かりやすい表現も変わって当然です。より具体的に、より的確に。そのためには、“放送界”だけでなく、“法曹界”にも『難解な文章をいかに、分かりやすく書けるか』が求められています。←同音異義語も要注意ですね。


『アナウンサー藤村幸司ドットコム』

別窓 | テレビに物申す | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<あかつきが消える | アナウンサー・藤村幸司BLOG | スタジオ初体験のころ>>
この記事のコメント
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
| アナウンサー・藤村幸司BLOG |
copyright © 2006 アナウンサー・藤村幸司BLOG all rights reserved. powered by FC2ブログ. template by [ALT DESIGN].
/