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藤村幸司
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点と丸の話(2)
2008-01-11 Fri 14:44
きのうの続きです。

アナウンサーにとって句読点が“くせ者”だと言ったのは、目で読むのと、声に出すのでは、本来の「、」の位置(間を取る場所)が必ずしも一致しないからです。また同じ「、」であっても、間は同じではありません。

今、たまたま手元にあった太宰治の『きりぎりす』を開いてみました。書き出しは、こうです。

「おわかれ致します。あなたは、嘘ばかりついていました。私にも、いけない所が、あるのかも知れません。けれども、私は、私のどこが、いけないのか、わからないの。私も、もう二十四です。このとしになっては、どこがいけないと言われても、私には、もう直す事が出来ません。」

この文章を「、」の位置で同じように切って読んだらどうでしょう。ロボットのようなブツブツ切れた朗読になるはずです。たしかに、声に出して読むことを意識して句読点が打たれた文章もありますし、作者の特別な意図を感じる「、」もありますが、多くは黙読の時の“見た目の”分かりやすさを意識して打たれているのです。本来、声を出して読むことを前提にした放送原稿でも、考慮されていないことが少なくありません。

そこでアナウンサーは『句読点に惑わされることなく』意味のつながり通りに読むこを意識しなければなりません。とは言え、これがなかなか難しいのです。おそらく誰もが小学校の国語の時間に、「、」で1拍、、「。」では2拍の間を取るようにと、みっちり教えこまれたからでしょう。今考えると、これは間違いだと気づきます。読み手が、文章の意味を損なわないよう、自分の「、」を打つこと。これができれば、一人前と言えるかもしれません。


『アナウンサー藤村幸司ドットコム』


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