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藤村幸司
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阪神大震災の取材で(2)
2008-01-18 Fri 09:20
きのうのつづきです。

阪神大震災の被災地を取材中に、被災者から言われたことば。私が一生忘れることができないひとこととは、

「藤村さん、来てくれたんや」

来てくれた・・・。最初は意味が分かりませんでした。マスコミですから、被災者に「何しに来たんや」と言われるのは覚悟していましたが、「来てくれた」とは、どういうことなのか。言われた私は、きょとんとしていたはずです。

その意味はこうでした。

「あんた、普賢岳の時もズームイン!!朝!で一生懸命、被災者の立場で伝えとったやろ。よう見とったよ。私たちのことも、全国にちゃんと伝えてよ」

「来てくれたんや」は、今、被災者は何に困っているか、何が必要かを、しっかり伝えてほしいということでした。普賢岳災害のリポートでは、とにかく必死で、ただ真摯な気持ちを忘れずに、事実を伝えることしかできませんでしたが、ありがたいことに、そんな私を覚えていて、信頼してのことばだったのです。いえ、信頼は私にではなく、『ズームイン!!朝!』という番組に対してだった思います。

長年、先輩たちが、視聴者の視点を忘れず、取材対象者の思いを大事に・・・という番組の基本を貫いてきたことを感じ取っていただいていたのでしょう。あの女性のことばで、取材中に感じていたモヤモヤが晴れ、自分がすべきことが見えた気がしました。また、その後のどんな仕事でも「来てくれたんや」の思いを裏切らないようにと考えるようになりました。

私にとって『1月17日』は、犠牲者の冥福を祈り、防災への決意を新たにする日であるとともに、取材者としての基本を今一度確認する日でもあります。自分は、あのことばに応えるために何をしたのか、あの信頼を裏切ることはなかったのか、13年たっても自問が続きます。

あらためて、犠牲者の方々のご冥福と、神戸の真の復興を祈ります。


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この記事のコメント
#274
「ズームイン!!朝!」が頑なに貫いた日本全国の朝の表情を生放送で伝えるというコンセプトは、間違いなく視聴者の絶大な信頼を得ていました。長年、ズームのキャスターをしてフリーになられた方のリポートは今でも安心して見る事ができます。このズームの信頼感というものは他の番組では決して得られないものだと思います。それだけ偉大な番組でした。
2008-01-19 Sat 19:13 | URL | ひろしま #2NU31nKA[ 内容変更] | top↑
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