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藤村幸司
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助けるべきなのか?迷いクジラ
2009-05-17 Sun 21:22
大阪から特急に乗って2時間半、取材ながら、ちょっとした旅行気分で向かったのが、和歌山県の田辺市です。ここは世界遺産に登録された熊野古道や、近くには南紀白浜温泉もある観光都市なんですが、思いもよらぬ場所に今、大勢の見物人が詰めかけているのです。
クジラ見物

テレビの報道でも大きく扱ったのでご存知の方も多いでしょう。今月14日から、田辺市の漁港にマッコウクジラが迷い込んでいます。そのクジラが近くで見られる堤防には、きょうも朝早くから見物人の長い行列が途切れることはありませんでした。近くの道路も渋滞を起こし、一見、祭りやイベントでも行われているのかと勘違いするほどの賑わいぶりです。

クジラが迷い込んできょうで4日目。これまで地元ではあの手この手の救出作戦を講じましたが、どれも決め手にはならず。その間に、クジラは湾の中をわずかに移動してはいるものの、外海に出る気配はまったくありません。見ていると、ほとんど自分で体を動かすこともなく、時折、潮を噴き上げるので生きているのがわかる程度で、かなり衰弱が進んでいるようでした。
迷いクジラ

救出作戦は打ち切った田辺市ですが、現地に対策本部まで作って、クジラの状態を24時間体制でチェックしています。また車の誘導や見物客の安全確保などにも大わらわの状態です。そんな中、市民からは「何とか助けてあげて」という要望のほか、「見殺しにするのか」「尾っぽにワイヤをつけてボートでひっぱればいい」といった声まで届いています。

きょうは専門の先生も入って今後の対応が話し合われました。先生によると、「あれやこれやと手を出さず、静かに見守ってやるのが、クジラにとっては一番いい」のだとか。これまで、大型の迷いクジラを救出できた例は稀で、たとえ外洋に出たとしても、生きていけるかどうかもわからないんだそうです。さらに人間が救出するために手を出したりするとストレスとなって、余計にクジラには負担をかけるとのことでした。また、野生の大型動物ですから、弱っているとはいえ、人間に危害を加えることもあり、実際に2年前にはクジラの救出作業中に死亡事故も起きていて、簡単に助けることもできないのです。

あくまで自然界に生きるクジラ。単純に「かわいそう」という視点だけで見てはいけないということをあらためて感じさせられた現場でした。そして今行われていることは、決して「見殺し」ではなく、最善の策なんだということを知ってください。地元の方のことばが印象的でした。「クジラは死に場所を探してここに来たのかもしれない。そうだとしたら、人間が周りを取り囲んで騒ぐより、近づかず静かに見守ってやるほうが、ほんとうの動物愛護であり、優しさじゃないか」と。

公式HP『アナウンサー藤村幸司ドットコム』
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