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藤村幸司
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視聴率のために?
2009-08-13 Thu 20:24
テレビの業界で生きていると、気にしないではいられないのが“視聴率”。(視聴率の)数字のためなら、なりふりかまわず・・・なんていうタイプの制作者もいて、それもある意味プロフェッショナルですが、私は「数字より中身にこだわりたい」と思いながら仕事をしてきたつもりです。でも、やはり数字は高いほうがいいに決まっています。私たちにとって視聴率とは、毎日出る“番組の通知表”みたいなものですから。そんな視聴率を上げる工夫は、制作者なら誰でもしています。ただし、それが間違った方向に行き過ぎると、“やらせ”という不正が生まれ、たびたび問題になりました。でも今回ばかりは、比べ物にならない、ただならぬ疑惑です。

それは南米・ブラジルでのこと。テレビの人気番組の司会者が、視聴率を上げるために自ら殺人を仕組んでいたというのです。報道によると、その番組は生々しい殺人現場の映像を放送することで人気となっているのですが、実はそれらの映像は、事前に司会者自身が犯罪グループに殺人を指示して、撮影させていたというのです。視聴率を稼ぐためにです。本人は否定しているそうですが、捜査当局は自宅から麻薬や武器を押収し、殺人罪の立件を視野に捜査をしているそうです。

映画の話のようで、にわかに信じがたいのですが、ぞっとするニュースです。それにしても、テレビの世界ではなぜこれほど視聴率を気にするのか?と疑問に思われるかもしれません。単純に、制作者は自分の作った番組が多くの人に見てもらえればうれしいですし、コマーシャルの点からも「当社の視聴率はいいので、スポンサーになってください」と営業しやすいということがあります。でも、もう少し複雑な理由もあるのです。

それが『GRP』(グロス・レーティング・ポイント)=延べ視聴率。簡単にいえば、1本ごとの視聴率の合計で、番組と番組との間に流れる『スポットCM』についての数字です。たとえばスポンサー企業とテレビ局が「1000GRPで1000万円」というCM契約をしたとします。そのためにテレビ局は、平均視聴率10%の番組であれば、CMを100回流さなければなりません(10%×100回=1000GRP)。これが平均視聴率20%の番組なら50回放送するだけで、1000GRPが達成できるのです。逆に平均視聴率5%の番組であれば200本のCMを流さねばいけません。つまり視聴率が良ければ、同じ契約でもCM枠に余裕ができ、別のCMを入れることができるのです。CM枠(時間)には限りがあります。よってスポンサーからの収入で成り立っている民放局は、利益を上げるために、視聴率アップは欠かせないのです。

とはいえ、ブラジルの例は本当だとしたらむちゃくちゃで論外ですが、日本のテレビ業界もこの冬の時代だからこそ、視聴率だけにとらわれない、『視聴質』アップも責任だと肝に銘じたいのです。



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この記事のコメント
こんにちは。視聴率アップを狙い、殺人までとは、日本では考えられませんね。しかし、ブラジルならあっても不思議はないような気がします。たとえば、20年くらい前に、ブラジルでは自警団のような「黒い警察」という組織がつくられ、全国の主要都市で貧困層の子どもを対象に「子ども狩り」(殺人)を行っていました。また、金持ち連中もレジャーで「インディオ狩」をしていました。その当時、北海道新聞には拓銀総研(シンクタンク)の長であった石黒直文氏が長期連載をしており、ブラジルのことを礼賛していました。ご存知のように拓銀はそれからまもなく、破綻しました。古来、外国を良い、良いと誉めそやす人には碌なものはいないと思います。ここに書いていると長くなってしまうので、詳細は是非私のブログをご覧になってください。
2009-08-15 Sat 10:00 | URL | yutakarlson #.BcbyNME[ 内容変更] | top↑
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