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藤村幸司
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舞台は楽し~土田英生セレクション-初恋
2010-07-02 Fri 23:54
私にとって“元気の源”が生の舞台を観ること。全力で演じる役者さんを目の前にすると、あすへの活力が湧いてきます。と、言うわけで、このところのハードスケジュールで疲れ気味の心と体に栄養分を注入すべく、劇場に足を運んできました。劇団MONO代表の土田英生さん作・演出の舞台『-初恋』です。以前から土田戯曲を観たいと思っていたので、ようやく叶いました。『-初恋』は1997年MONOで初演した作品ですが、今回はさまざまなジャンルから新たにキャストを集め、生まれ変わったニューバージョンです。

管理人の女性以外の住民は全員ゲイというアパートを舞台にしたドラマ。ありそうな日々の出来事を描き、劇的な大事件が起こるわけではないのですが、シャープなセリフ回しと小気味よいテンポ、そしてシュールな笑いの要素を散りばめながら、心を温めてくれる芝居です。実は開演しばらくして、以前にも観たことがあるのに気づきました。年間50本以上の舞台を観ていた時期もあったので、忘れている作品もあるのですが、恐らくMONO版がテレビで放送されたことがあるのか、別のカンパニーが演じたのを観ていたんだと思います。しかし、生での土田演出は初めて・・・のはず。

それはともかく、土田戯曲の魅力である絶妙な“テンポ”と“間”の会話劇を楽しめました。これは脚本を生かす役者の技量も相当求められるところですが、今井朋之さん、、田中美里さん、ラーメンズの片桐仁さんら個性的なキャストがしっかり作り上げていました。また舞台美術と照明が美しく、実に効果的なのですが、その美術は今回、役者として出演している奥村泰彦さんの手によるものだとか。大きな商業演劇とは違って劇団の芝居は、こんな才能を発見できるのも魅力です。

私は気に入った芝居は何度も観ます。映画と違って、観るたびに違う感動があるからです。同じ作品でも役者が違えば芝居も変わるのは当然ですが、座席の位置によっても、また観る側の精神状態によっても変わってきます。舞台は“生もの”と言われる所以で、だからこそ、はまってしまうのです。でも、何度も観られるのは、ロングランをしているか、再演を繰り返している芝居だけ。それは、ごく限られています。現実はいい芝居でも、二度と観られないものが多いのです。そして忘れ去られてしまうのです。残念ながら・・・。

『-初恋』のパンフレットの最初のページに土田さんが、こんなことを書いていらっしゃいます。「日本では新作至上主義と呼べる状況がある。例えばある劇作家が書いた『○○』という作品が評判が良かったら、その作家に『○○』のような作品を書いてほしいという要望がくる。だったら『○○』を上演してくれればいいのに・・・。しかし、新作のほうがありがたがられる傾向があるのだ。私はそうした状況に微かな抵抗を試みようと思った。過去に書いた自作を自ら再生し、戯曲として普遍化する」と。

それが『-初恋』の復活につながったのです。映像で残せても、本来の生ものとしては残らないのが演劇の宿命。でもいい作品は、こうして復活し続けてくれればいいのです。土田さんは「この上演を成功させて再演をスタンダードにしたい」と語ります。これには演劇ファンとしては応援しないではいられません。

DATA>「土田英生セレクションVOL.1 ―初恋」
【作・演出】 土田英生
【出演】 田中美里 今井朋彦 犬飼若博 奥村泰彦 
根本大介 川原一馬 千葉 雅子 片桐 仁
【劇場】サンケイホールブリーゼ
-初恋

公式HP『アナウンサー藤村幸司ドットコム』
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