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藤村幸司
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日本映画の底力『悪人』
2010-09-11 Sat 23:59
きょう公開の映画『悪人』を観てきました。妻夫木聡さんが殺人犯を演じ、先日のモントリオール世界映画祭で深津絵里さんが最優秀女優賞を受賞したことでも話題になりました。長崎出身の芥川賞作家、吉田修一さんの小説が原作とあって、全編セリフは九州弁。これが何とも切なくて、優しくて、温かくていいのです。実は作品の予備知識はほとんどなく、予告編で聞いた九州弁に惹かれて観に行ったのですが、もし共通アクセントで展開していたなら、これほどの迫力も、凄味もなかったと思われます。方言の持つ力を思い知らされました。妻夫木さんが長崎の男、深津さんは佐賀の人、殺されるのは福岡の女性なので、九州弁と言っても、微妙にニュアンスの違いも演出されていたようです。エンドロールには、長崎弁、佐賀弁、福岡弁のそれぞれの方言指導の方の名前がクレジットされていました。

映画は役者たちの演技に圧倒されました。妻夫木さんの悪役は、過去にもなかったわけではありませんが、この作品は文字通りの新境地を開いたといえるほど、繊細な内面を見事に演じていました。笑わないブッキーもありですね。いい役者です。深津さんは寂しさ、孤独、女性の幸せとエゴなど、やるせない表情で見せてくれました。さらに脇を固めた俳優陣がこのうえなく素晴らしかった。妻夫木さんのおばあちゃんを演じる樹木希林さん、無言の演技はすごいです。殺された女性の父親の柄本明さんは激しさと抑圧で、被害者家族の怒りと悲しみを表現し胸を打ちます。岡田将生さんもこれまでのイメージを壊し、新たな魅力を見せていますし、宮崎美子さん、余貴美子さん、塩見三省さんなど、とにかく演技派ばかりのそうそうたる顔ぶれで、日本映画の底力を見せつけられました。

私にとっては親しみのある九州弁と、長崎、佐賀、福岡の見慣れた懐かしい風景がたくさん出てきたこともあって、今年観た映画の中では、ナンバー1です。今年の映画賞が楽しみです。


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