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藤村幸司
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津波災害~歴史は繰り返すなら
2011-04-19 Tue 11:47
地震、火山噴火、台風、豪雨、洪水、土石流、土砂崩れ・・・これまで数々の自然災害の現場を取材し、その恐ろしさを目の当りにしてきたにもかかわらず、正直“津波”に関しては、ほとんど意識をしたことがありませんでした。それだけにこの甚大な被害に、人の力の及ばない自然の脅威を思い知らされたと同時に、津波について知らな過ぎたことを痛感しました。今、読んでいる吉村昭・著『三陸海岸 大津波』は、明治29年、昭和8年、昭和35年に三陸沿岸を襲った大津波を取材し記録した作品です。今から40年以上前に出版された本ながら、その記述はまるで今回の災害について書かれているかのよう。驚くほどに生々しく、私が被災地で見た光景そのままでした。「歴史は繰り返される」そんなことばが、頭をよぎりました。
三陸海岸大津波
たとえば明治29年の被害の状況がこう書かれています。『村落は荒地と化していた。(中略)丘陵のふもとにある家々がわずかに半壊状態で残されているだけで、海岸線に軒をならべていた家々は跡形もなく消えていた』『家屋・漁船の破片や根こそぎさらわれた樹木が、芥のように充満していた』『大樹の梢には、昆布等の海草がひっかかっていて、いかに津波の高さが常識を逸したものであったかをしめしていた』など。被災直後の避難や救助についても『電線も道路も杜絶して、救援隊もやってはこない』『やがて山間部の村落から有志によって組織された救援隊がやってきて、乏しいながらも食料が生き残った人々に支給された。が、死骸を取り片づけるには労力不足で、死体はそのまま処分もされずに放置されていた』と。さらに、そんな中で『日本赤十字社では、医師11名、看護人・看護婦40名を急派したが、仙台支部でも多数の医師、看護婦が災害地に夜を徹して急ぎ・・・(略)』というのもほぼ同じ。
潰れた車
また、かなり高い丘の中腹に建っている家まで津波に襲われたことを受け『田野畑村の津波をふせぐために設けられている防潮堤の高さは8メートルで、専門家もそれで十分だとしているが、「ここまで津波が来たとすると、あんな防潮堤ではどうにもならない」と不安そうに顔を曇らせた』という住民の証言までもが、今回の状況とあまりにもダブってしまいます。
破壊された防潮堤
明治三陸大津波では死者・行方不明者が2万2000人にのぼり、これまで国内最悪の津波被害とされてきました。しかし、18日午後6時現在、警察庁は東日本大震災による死者と行方不明者が、それを上回る2万7759人になったと発表しました。歴史を紐解けば、三陸地方がいかに津波の多発地域だったかがわかります。現地で取材しても、ほかの地域に比べて津波に対する意識が高く、さまざまな対策が講じられていたことを感じます。でも、それらはどれだけ有効だったのか、どれだけ生かされたのか、今後、徹底的な分析と検証が必要です。また今回の教訓や記録を伝えていかねばなりません。すべては次の時代の津波対策のために。

かつて三陸を襲った大津波の記録を読んでいると、どれも被害が甚大で、復興など到底無理にも思われました。しかし現実は、町は見事によみがえり、人々はたくましく生きてきました。歴史は繰り返されるというなら、今度もかならず東北は力強く再生するはずです。過去になかった原発問題が加わりましたが、時代とともに英知も技術も進歩しています。日本中、世界中からかき集め、注ぎ込めばきっと乗り越えられはずです。そんなことを過去の大津波災害が教えてくれているような気がします。

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この記事のコメント
#1266 管理人のみ閲覧できます
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2011-04-20 Wed 10:34 | | #[ 内容変更] | top↑
#1267 歴史は繰り返しますね。
古い津波について取り上げた書籍があるとは知りませんでした。東北も力強く復興してくれることを心から祈っております。
2011-04-23 Sat 16:53 | URL | 個別指導塾成績アップゼミ #UXr/yv2Y[ 内容変更] | top↑
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