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藤村幸司
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誰もが原発問題の当事者
2011-05-14 Sat 18:15
きょう、中部電力・浜岡原発(静岡・御前崎市)5号機の運転が止まりました。4号機はきのう停止していて、廃炉される1号機と2号機、定期検査のため止まっていた3号機を合わせて、これで浜岡原発すべての原子炉が停止しました。そもそも東海地震の想定震源域のほぼ中央にある浜岡原発は、30年以内に87%の確率で大地震が起きるとされる場所。福島第一原発の二の舞にならぬよう、菅総理が中部電力に運転停止を要請していたもので、住民の安全を最優先した当然の決断だと感じました。しかし、こと地元を取材してみると、そう簡単ではありません。
浜岡原発
今週は、突然の停止決定に揺れた浜岡原発や、“原発銀座”と呼ばれる密集地、福井・若狭湾周辺を訪ねました。どちらも、今や原発抜きでは考えられない地域。しかし抱える問題や、住民感情はさまざまで、実に複雑です。浜岡原発のある御前崎市は平成の大合併で御前崎町と浜岡町が合併してできた市。地場産業がなかった浜岡町が原発誘致に町の命運を託したのに対し、漁業が盛んで観光地としても知られた御前崎町は原発誘致に反対でした。そんな町同士が、約30年後に合併することになるとは、何とも皮肉に感じます。交付金で作られた立派な施設の数々は旧浜岡町に集中するなど、同じ市とはいえ格差があり、当然、市民の考え方もひとくくりにはできません。

午前8時すぎの浜岡原発正門前、大勢の従業員たちと車の列が、続々と施設に吸い込まれていきます。人口約3万6000人の御前崎市。浜岡原発で働いているのは約2800人で、そのうち地元住民が約1200人。市の原発関連の歳入が予算の4割以上を占めるという現実。「寝耳に水だ」「自治体の財政はどうなる」「自分たちの暮らしはどうなる」と不安の声が上がるのも当然です。

「私たちに“原発どうすべきか”と聞く前に、ここで作った電気を使っている都会の人たちに“どうするの”と聞きたい」

そう話したのは、福井・大飯原発のあるおおい町の男性。関西電力の電気のおよそ半分が福井で作られ、その半分が大飯原発がまかなっています。これまで、そんなことに感謝することなく、平気で電気を使っていた私は、はっとさせられ、返す言葉が思いつきませんでした。今回の原発事故と国のエネルギー政策は「沖縄の基地問題と同じ」と指摘するする人がいます。リスクを一部地域に押し付け、見返りとして交付金をばらまく構図。しかしそこには、共存せざるをえない、生活の一部となっている人たちが数多くいること。
大飯原発模型

敦賀原発を抱える敦賀市で、無党派として政治活動を続ける今大地はるみ市議は、「今、地元には原発についての選択肢があるようで、ない」と言います。先日の統一地方選では、争点にすらならなかったそうです。エネルギー政策は政治の責任ながら、最終的に選択し、行動するのは我々ひとりひとりのはず。今回の震災で、いかに電気に依存した暮らしをしてきたかをも思い知らされました。だから日本のエネルギーをどうすべきか、ひとりひとりがその当事者に違いありません。原発の地元でも「原発がないのに越したことはない」という声も多く聞きました。そして「未来の子どもたちのことを考えたら、やはり今ここで立ち止まらなければ」という今大地さんのことば・・・今も響いています。
敦賀原発

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