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藤村幸司
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若手がいざなう歌舞伎の魅力
2011-06-12 Sun 23:16
最近、このブログはミュージカル話が多かったので、きょうは歌舞伎のことを少し。歌舞伎は、一旦はまると面白いのですが、最初は小難しそうで取っつきにくく感じている人も多いでしょう。そんな方には、まず『歌舞伎鑑賞教室』をおすすめします。通常の公演に比べ時間が短く、値段も安めなので、気楽に行けます。京都・南座では毎年春に、東京・国立劇場では6月、7月に行われていて、全国各地でも公演されています。値段が安いとはいえ、本格的な歌舞伎の演目が観られますし、その前に初心者にも分かりやすい解説コーナーがあるのがいいのです。
国立劇場
国立劇場の今年の歌舞伎鑑賞教室は『義経千本桜』。これは源平の戦いをモチーフにした長い長い物語ですが、そのうち6月は有名な『河連法眼館(かわつらほうげんやかた)の場』を上演中(~6月26日)です。この場面の主人公は源義経の家来・佐藤忠信に化けた子ギツネ。実は義経の愛人・静御前が大切にしている鼓は、そのキツネの親の皮でできたもの。親を慕うあまり忠信になりすまし、静御前のお供をしていたのです。ところが、正体がばれてしまって物語はクライマックスへ・・・。キツネと忠信の二役を演じるのは中村翫雀(かんじゃく)さん。家系から縁遠かった役のため、ベテランにして初挑戦の役ですが、子ギツネらしい小気味よい動きとかわいらしさに加え、親への深い愛情を激しい所作で情感たっぷりに魅せてくれます。
義経千本桜
早変わりや瞬間移動などのカラクリ演出も見せ場です。歌舞伎では「外連(けれん)」といい、大道具や小道具の仕掛けによって、観客を驚かせます。いったいどうなっているのか、不思議ですが、国立劇場に隣接する『伝統芸能情報館』では9月19日まで企画展示『歌舞伎入門~義経千本桜の世界~』を開催中で、仕掛けの種明かしや解説、本物の道具類を見ることができますので、併せてチェックしておくと、より楽しめますよ。
伝統芸能舘義経
さらに見逃せないのは舞台の右手に座っている弁士(太夫)と、伴奏の三味線。『義経千本桜』はもともと人形浄瑠璃のために作られた義太夫狂言で、三味線の伴奏に合わせ、太夫が情景や登場人物の心理を語りながら進行します。振り絞るように語り続けるその迫力は言霊となって響きます。昔のセリフなのでなかなか理解しにくいのですが、鑑賞教室では電光掲示板で文字が出るので安心。どっぷり歌舞伎の世界に浸れます。

この歌舞伎上演の前の解説コーナーを担当するのが中村壱太郎(かずたろう)さん。キツネを演じる翫雀さんの息子さんで、まだ20歳。本編では美しく凛とした静御前を演じますが、解説では袴姿で登場。イケメンながら、隣のお兄さん的な何とも親しみやすいキャラクター。映像を使って、優しい語り口とユーモアたっぷりに、歌舞伎のイロハやうんちくを教えてくます。この“しゃべり”が実にうまくて感心します。これなら誰もが歌舞伎を身近に感じられるはずです。歌舞伎鑑賞教室は、こんな若手の役者さんが重要な役で出演するのも楽しみで、今回は17歳の中村隼人さんが、解説コーナーは静御前で女形かと思えば、本編では義経の家来に変身。また21歳の坂東巳之助さんが真っ赤に化粧して演じた、血気盛んな家来・亀井六郎のインパクトは十分十二分。少々荒削りでも、こんな若々しい舞台は観ていてさわやかな気分になります。彼らの成長を見届けたいという気持ちが生まれると、もう歌舞伎の魅力にはまった証拠です。

この『義経千本桜』の鑑賞教室、来月3日からは『渡海屋(とかいや)』『大物浦(だいもつのうら)』の場が上演されます。尾上松緑さん(36)が、祖父の二代目松の当たり役、悲劇のヒーロー・平知盛に初挑戦。また長男の藤間大河(たいが)くん(5)も出演し親子共演も楽しみ。解説役は26歳、尾上松也さん。

公式HP『アナウンサー藤村幸司ドットコム』
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