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藤村幸司
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待ってました!海老蔵
2011-07-06 Wed 00:15
新橋演舞場
ピンと張りつめた緊張感。速まる鼓動。その瞬間を、場内の誰もが息をのんで待っているのがわかりました。そして姿が見えるやいなや沸き起こった万雷の拍手。「成田屋!」「待ってました!」の掛け声。そのとき、劇場内の空気がいっぺんに変わったことを体感しました。

去年11月、酒の席でのトラブルで顔面に重傷を負い、無期限謹慎中だった市川海老蔵さんが、今月2日に開幕した東京・新橋演舞場『七月大歌舞伎』で舞台に帰ってきました。実に278日、およそ9か月ぶりの復帰です。当然、注目度は抜群で初日昼の部のチケットは10分で完売。そんな超貴重な公演を、取材とはいえ観劇することができました。何と言うしあわせ者・・・。
7月大歌舞伎
舞台の海老蔵さんを見ていて、改めて「海老蔵さんの代わりはいない」ことを思い知らされました。歌舞伎界に素晴らしい役者さんは大勢いますが、黙っているだけで醸し出すあの美しさ、颯そうとし気品ある立ち姿は、この人ならでは。軽率な行動で多くの人たちに迷惑をかけたことは間違いなく、「復帰はまだ早い」という意見もあるでしょう。でも歌舞伎役者・市川海老蔵は舞台にいるのが一番似合っていることは疑いがありません。これは客席にいた我々はもちろん、海老蔵さん自身が身に染みたことでしょう。

復帰となった演目は、成田屋(市川家)のお家芸『歌舞伎十八番』の中でも圧倒的な人気を誇る『勧進帳』。この物語、最初に出てくるのが海老蔵さん演じる安宅の関の番人・富樫です。さすがの海老蔵さんもやや緊張しているのか、硬さを感じましたが、やはり見た目も声もイケメンで、オーラたっぷりに“海老蔵ワールド”を作り出すのはさすが。私の自前の双眼鏡でじっくり見ると、殴られた左目がまだ少し赤いのが気になりましたが、普通に観劇している分には、まったくケガのことは感じさせません。

一方、その富樫と丁々発止のやりとりをする弁慶は父・團十郎さんという豪華な配役。これは7年前、白血病で途中降板となった『海老蔵襲名公演』と同じです。両者対峙する場面は見どころ十分、迫力たっぷり。弁慶、富樫がお互いを尊重し合うからこその場面が、市川親子の関係にも重なって見えました。また海老蔵さんの「見得」や「泣き」の表情もしっかり決まっていて、一時心配された後遺症のことも一安心です。

そして團十郎さんの弁慶が、これまた見事でした。あの長丁場、酔っぱらっての舞いや最後の飛び六法での引っ込みまで年齢も病気も感じさせない熱演。海老蔵さんの事件や不祥事について、いつも真摯に対応していただいた團十郎さんが、体を張った演技で観客への感謝と、息子へのメッセージを伝えているようでもありました。

ところで海老蔵ファンとしては、今度は弁慶役で見てみたいところでしょう。実は事件で中止となったル・テアトル銀座の正月公演で演じるはずで、私もそれを楽しみにしていました。でもそれも、早々と実現します。9月は大阪松竹座で、海老蔵弁慶、團十郎富樫の勧進帳があります。歌舞伎ファン、ますます忙しくなりそうです。そして海老蔵さんには、あの観客の拍手と歓声を胸に刻んで、さらに芸も人間も磨き、大きな役者になってほしいものです。

公式HP『アナウンサー藤村幸司ドットコム』
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