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藤村幸司
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そこに立ってこそ見えるもの
2007-04-29 Sun 01:00
kudan.jpgきのうのブログで、特攻隊をテーマにした舞台『同期の桜』について書きました。上演されたのは東京・九段会館。見るからに古めかしく重厚感漂う建物は、今はホールのほかホテルや結婚式場として使われていますが、元は1934年(昭和9年)に、軍人の収容と訓練の場として建設された軍人会館。 1936年(昭和11年)の2.26事件では、戒厳司令部が置かれ、戦後10年あまりは、連合軍の宿舎としても使用されました。よって歴史を感じさせるのも当然です。『帝冠様式』と呼ばれ、当時の最先端のデザインは、建築物としても貴重ですが、建物が持つ歴史的な重みも、観劇に合わせて知りました。

shouwakan.jpgその目の前には一転、見上げるような近代的なデザインの建物があります。それが昭和館という、戦中・戦後の国民の生活を資料や映像で紹介している展示館です。こんな施設があることも、初めて知りましたが、ちょうど特別企画展『手塚治虫の漫画の原点・戦争体験と描かれた戦争』が開かれていて、のぞいてきました。

『鉄腕アトム』や『ブラック・ジャック』など名作を生み出した、言うまでもなく大漫画家・手塚治虫氏。その手塚さんが戦中、死と隣り合わせの中、どんな思いでマンガを描き続けたのか、そして戦後、それらの体験がどう作品に生きているのか、直筆原稿から感じ取れるような気がしました。平和について身近に考えるチャンスになるこの企画展は、ぜひ全国を巡回して欲しいものです。昭和館では5月6日まで開かれています。お時間があればお出かけください。

yasukuni.jpgそして、今回初めて靖国神社にも行ってきました。『A級戦犯の合祀』『総理大臣の参拝』『政教分離』『中国・韓国の反発』など、ニュースと書物でしか知らない靖国を、実際どう感じるのか?前から行ってみたいと思っていました。

まずは、高層ビルが立ち並ぶオフィス街の真ん中に、こんなにも広大な敷地を持っていることに驚きました。お正月は初詣で、ごったがえすであろうまっすぐ延びる広々とした参道。その真ん中を、ひとり歩いていると多くの緑も目に入り気持ちいいものでした。そして平和を願ってお参りした後は、付属の資料展示館・遊就館に・・・。

yuushuukan.jpg屈託なく微笑む若き特攻隊員たちの写真。そして死を覚悟し、故郷の両親にあてた遺書。これらの展示品を見るだけで、誰もが「二度と戦争を起こしてはならない」と誓うはずです。その一方で、じっくり見ていくほど、この施設が近代日本のおこなった戦争は、すべて正義の戦いであったという歴史観に立っていることもわかってきます。戦車や爆撃機の展示に違和感を覚える人もいるでしょう。

でも、これも、それも知らねば始りません。そして、そこに立ってこそ感じ取れるものがあると思っています。そのうえで、自分で自分なりの判断を下せばいいと思うのです。そこがスタート地点です。

9.11の同時多発テロの後、ニューヨーク・ワールドトレードセンター跡に行った時、私は心の奥底から怒りがこみ上げ、平和の大切さを体で感じました。それには、ことばはいりませんでした。そこに立つだけで、伝わってくるものがありました。だから世界中の指導者は、ここに来て感じるべきだと思いましたし、広島や長崎の爆心地にも立つべきだと感じました。

平和を望まない人はいないはずです。でも一番怖いのは、知らないことです。芝居でも、資料館でもアプローチは様々です。私自身、今回は観劇の前後に、周辺を歩いただけでしたが、初めて知ること、そして感じることがありました。

今年から、きょう4月29日は『昭和の日』だって・・・。

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この記事のコメント
#53
東京は今年の3月末に行きました。しかも一人で。時間が限られていたので、行けた所、行けなかった所はありました。九段下は行きたかったのに時間の都合上行けなかったところです。
藤村さんが仰るとおり行くべきでしたね。靖国神社の境内に立って、平和の大切さを感じる。しばらく行ってなかった長崎の爆心地に行ってみようと強く感じました。特に長崎では例の許されない事件がありましたから。
ところで、藤村さんは観劇がお好きのようですね。僕は高校演劇をやっているんですよ。役者と裏方両方体験しています。また演劇をはじめてから様々な劇を見てきました。多く見たことはないのですが、劇でも語り合えたらいいですね。
2007-04-30 Mon 01:05 | URL | YASU #-[ 内容変更] | top↑
#54 YASUさん
長崎はいたるところに平和のありがたさ、大切さを教えてくれるところがあります。また平和教育も盛んです。だから、よそと比べて長崎の人たちにとって、平和を考えることは特別なことではないと思っていました。それだけに、今回の事件は残念で悔しくてなりません。でも、だからこそ長崎の役割は大きいように思います。

高校演劇ですか・・・いいですね。長崎では大会の審査員をやらせてもらったこともありますし、市民演劇祭も見に行ってましたよ。YASUさんたちの芝居も、チャンスがあれば拝見したいものです。
2007-04-30 Mon 03:34 | URL | 藤村幸司 #kCTSxNgQ[ 内容変更] | top↑
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